13話
こよはるさんの12話です⤵︎
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◇
(昨日は濃い1日だったな……)
前髪を整えて学校に行ったらじろじろ見られて恥ずかしかったし、奈菜ちゃんは連れ子だって告白されるし。通学路の道端に咲いた名も知らない花を横目で見ながら思った。
ぼーっとしながら歩いていると、唐突に肩に手が回された。
「おはよー」
「あ、絵里ちゃん!おはよう」
私に話しかけてくれたのはクラスの中心メンバーの絵里ちゃんだった。
ポニーテールに薄めのお化粧、バッグには可愛いぬいぐるみ、スマホのカバーの中は今日も変わっている。
「んー可愛い」
「ありがとう……!」
「私、ちゃんと気づいてたんだよ?前髪上げる前から可愛いって」
「絵里ちゃんも可愛いよ」
「心まで美人なのね」
頭を撫でられて気恥ずかしく歩いていると、絵里ちゃんがニヤリと口角を上げる。
「絶対二人と進展したでしょ」
「……?二人って?」
「なんでもなーい!」
嬉しそうに早足で歩いていく絵里ちゃんを見送ると、後方から声が聞こえてきたような気がして振り向く。
「ものすごい需要のありそうな雰囲気」
「ね。今日のノルマは進展状況の確認にしよ」
いわゆるオタクと言われているカップルの圭くんと歩夢ちゃん。
何やら私を見てこそこそ話している……怖い。
学校に着くとまだ虹斗はいなかったが、春渡が圭くんと歩夢ちゃんと話していた。
……否、あれは質問攻めにされている。耳を澄ますと会話が聞こえてきた。
「ねえ、なんかあったんでしょ?」
「えぇ?なんかって?」
「宵華ちゃんだよ!私も女だけど惚れそうになったんだから!」
「虹斗ともなんかあったろ?」
「……だから何が」
ぷい、と顔を背ける春渡。
そのまえを、今来たばかりの虹斗が通り過ぎる。
「「……」」
(……あれ?)
二人は無言ですれ違った。お互い、意図的に顔を背けていた気がする。
今までは少なくとも「おはよう」くらいの言葉を交わすくらいの仲の良さではあったし。
「こーれは事件だよねぇ」
隣にきた絵里ちゃんはとても悪い笑顔で私に問いかけた。
何か嫌な予感がしつつも、私はぎこちない笑顔で返す。
「そ、そうかもね」
「まあ私に任せんさい」
グッドマークを作る絵里ちゃんが怖くて。
私は頷けないまま、裏で計画が始動しようとしていた。
「土曜日、カラオケ行こうね」
◇
(いししっ)
私、
なんて甘酸っぱい。リア充の私より青春してやがる。考えるだけでもにやけてくる。
友達のよいちゃん(宵華)は、非常に可愛らしい女の子である。
それをずっと狙っていたのが、虹斗と春渡。両方幼馴染とか少女漫画かいな。
前髪を下ろしていたよいちゃんが、昨日ついに前髪を切ってきた。
みんな動揺してて楽しかったー。
そこで非常に慈悲深く優しい私は、虹斗と春渡に素晴らしい機会を与えてやろうと思ったのだ。
「あ、
私は彼氏と待ち合わせをしているところ、やっと相手が現れた。
海は私たちとはクラスが違うが、虹斗と仲が良かったはず。
「ごめん遅くなった。話って何?」
「今週の土曜空いてる?」
「えっと……午後からなら」
「おし、カラオケ行って虹斗たちをからかおう」
「からかう?」
「虹斗たち、幼馴染三人があいにくの三角関係なの。そして女の子超可愛い」
「え、おもろ」
私はドヤ顔で返した。
「私たちとその三人でカラオケに行って、私たちは途中で抜けよう」
「天才かよ」
「赤点生徒なめんなー」
リレー小説OBNR(いなずま。) いなずま。 @rakki-7
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