I

「お誕生日おめでとう~!」


 パンパカパーンという音をオモチャで鳴らして君は言う。


「あ……ありがとう……」


 ぼくは突然の出来事に戸惑ったが、ふざけてはいないのだと分かるとなんだか安心した。ぼくは38歳になったのだ。


「ねえ? これからの目標とかはあるの?」


 え? 突然そんなことを言われても……分からない。でも、今まで出来なかったことをやってみたいな。例えば、小説家を目指すとかね。あ、でもプロになろうとは思ってない。とにかく面白いと思う作品を世に出して多くの人に面白いと言ってもらうんだ。

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短編・雑記帳 こわき すすむ @kowaki

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