第5話 たぬたぬくんといっしょにおまつりしよう

 おまつりの日がきました。


 バケバケの森のなかまも人間にんげんけておまつりにまぎれるのです。


「たぬたぬもうまくけられるようになったね」


 たぬたぬくんはおかあさんと手をつなぎ、村へやってきました。


「たぬくん!」


 人間にんげんのおともだちの花乃かのちゃんが、学校がっこう元気げんきに手をふって出むかえてくれました。


「うまくできるかな?」


 たぬたぬくんは元気げんきありません。


「だいじょうぶだよ! いっぱいれんしゅうしたもん!」


 花乃かのちゃんはたぬたぬくんの手をぎゅっとにぎってくれました。


「ありがとう!」


 たぬたぬくんは花乃かのちゃんから力をわけてもらったのです。


 たぬたぬくんとおともだちたちが大通おおどおりでそわそわ、ドキドキまっていると、山の神社じんじゃからがやってくるのが見えました。かみさまは大人がはこぶにのって、村にやってくるのです。


 さあ、たぬたぬくんたちががんばるときです!


 わっしょい! わっしょい!


 たぬたぬくんたちはかけごえで、おにいさんやおねえさんたちはふえ太鼓たいこでおみこしをお出むかえします。


 わっしょい! わっしょい!


 ドンドンヒャララ、ピーヒャララ♪


 わっしょい!! わっしょい!!


 おみこしをはこぶ人たちも、かけごえの子どもたちも、あきのすずしいかぜがふいてもあせいっぱい。


「わっしょい! わっしょい!」


 たぬたぬくんも大きなこえをいっぱい出しました。


 がんばるたぬたぬくんたちを、の上からたのしそうに見ているおじいさんがいました。白いおひげに白いふく。けれど、人間にんげんにはおじいさんが見えていないようです。たぬたぬくんがふしぎそうに見ていると、おじいさんは「ないしょ」というように、お口にゆびをあて「しぃ」。


 たぬたぬくんも「しぃ」。


「どうしたの?」


「う、ううん。なんでもないよ」


「そう?」


 花乃かのちゃんにきかれても、たぬたぬくんはおやくそくをまもってなにもいいませんでした。


 みんなで力をわせ、はぶじに村の公園こうえんにつきました。


「みんなじょうずにできたね。ごほうびをあげよう」


「わーい!」


 村の人からごほうびのおかしが子どもたちにくばられました。


「あっちでいっしょにべよう!」


「うん!」


 お友だちにさそわれて、たぬたぬくんも木かげにすわりました。


「みんなよくがんばったね」


 あの白いおじいさんがきて、お友だちみんなのあたまをなでていました。なぜでしょう

? いまはみんな、おじいさんが見えるようです。たぬたぬくんもなでてもらいましたが、とってもあたたかいおじいさんの手でした。

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