第3話 たぬたぬくんにごほうびをあげよう

 たぬたぬくん、また山のかみさまへおつかいをたのまれました。


「うんしょ、うんしょ」


 今日もたぬたぬくんの手には、大きなかきがみっつ。


「こんどこそ、がんばるぞ!」


 たぬたぬくんは、はりきっていました。


 バケバケの森を出て、川をわたり、村に入りました。


 しくしく、しくしく……。


 おや? みちのはしで女の人がいていますよ。


「ど、どうしたの?」


 やさしいたぬたぬくんはこえをかけました。


「ばあ!」


「ひゃあ!」


 たぬたぬくん、びっくり! しりもちドッスン!


 かおをあげたおねえさんは、かおのないだったのです。


「ハハハ!」


 のおねえさんは、ドロン! またびっくり! きつねのおじさんがけていたのでした。


「おまえももっとうまくけないと、人間にんげんをだませないぞ」


 きつねのおじさん、こんどは女の子にけるとはしっていきました。


「ぼくはでも、みんなとなかよくしたいな」


 つぶやいたたぬたぬくんでしたが、立ちあがって気づくと手からかきがひとつなくなっていました。


「あ、やられた! もっとしっかりもっておかないと!」


 たぬたぬくんはふたつのかきかみさまにおそなえしました。


 かえみち、おつかいがちゃんとできなくて、たぬたぬくんはしょんぼり。


「おーい!」


 どこからでしょう?


「こっち、こっち!」


 たぬたぬくんをよぶこえは田んぼからでした。

 いつも村の公園こうえんであそんでもらっている、おにいさんやおねえさんです。

 あせをふきふき、稲刈いねかりのお手つだいのようです。


「手つだってくれない?」


「ぼくも?」


「いっしょにやろう!」


 がんばって稲刈いねかりしていると、なんだかしょんぼりもどこかへとんでいっていました。


「そろそろ、おひるにしようか」


「はーい!」


 おじさんのこえにみんなおべんとうをひろげましたが、たぬたぬくんはおべんとうをもっていませんでした。


「これ、あげる」


「わたしのも」


「これもあげよう」


 たぬたぬくんはみんなからおべんとうをわけてもらいました。


「ありがとう!」


 たぬたぬくんはとってもあったかい、しあわせなきもちになりました。


「みんなでべるとおいしいね!」


 たぬたぬくんニコニコ。


「そうだね!」


 おにいさんもおねえさんも、おじさんも、みんなニコニコ。


 おひさまはぽかぽか。


「きょうは手つだってくれてたすかったよ。ごほうびにこれをあげよう」


 たぬたぬくんはおじさんから大きなをもらいました。


「ありがとう!」


 これでなんでもはこべると、たぬたぬくんはとってもよろこびました。

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