まず、ただの通りすがりの身でありながら、私的な事情混じりの感想となってしまうことをお詫び申し上げます。
早速ですが、これまでの経験と佑理の状況に少なからず重なる部分があり、最後まで感情移入しながら拝読いたしました。
自分の場合は故人に纏わることと折り合いをつけられなかったことに加え、ネガティブな外圧に負けてへし折れてしまって、今や簡単なラクガキに興じるのが関の山です。
そして、だからこそ、この結末に心から「善かった」と思うことができました。
本作は、たとえば救われない誰かに対し、物語が手を差し伸べているかのようです。
月並みな言い方になりますが、この場合の物語とは故人を知る人々であり、その記憶に残る故人の在り方そのものなのだろうと思います。
……ちょっと何を言っているのか分からなくなってきたのでこの辺で。
善い物語でございました。