この方の作品は、この小説に限らず、キャラクターたちがとても個性的で、生き生きとしていて、小説を書かれる人には非常に勉強になると思います。なので、できるだけ多くの作品に目を通すことをお薦めいたします。
主人公は変な子です。登場する仲間もみんな変です。子どもたちの日常がおかしな語り口で、断続的に示されていきます。ただ、保証します。奇をてらっただけの文章ではありません。ふんわりした日常に何気なく、「夢幻」ではない「現実」が差し込まれます。彼らのおかしさは健気さや哀しさとなって立ち上がってくるのです。変で愛おしい彼らが、どのような道を歩むのか。応援してあげて欲しいです。