客も魔道具も、油断は大敵!
- ★★★ Excellent!!!
同じ名を持つ祖母から継いだ看板――――アンナの魔法よろず屋。
一言で表せば、専門性が極めて高い業界である。
古代文字や法規制などの知識と、経験がモノを言う。
また、魔道具の玉石混交ぶりは広く知られるところで、若いアンナを信用する客はいない。
よってアンナは考えた。
老婆に見せる魔道具を作り、見た目をごまかして商売する。
学んできた技術と知識をもってすれば、必ずやりくりしていける。
次第に町の人の目も変わって、繁盛する名店に――――
などと思いきや。
この魔道具は、トンデモないものがほとんど。
わずかでも判断を誤れば、店もろとも壊滅は免れない。
くわえて店に来る客もクセのある者ばかり。
いわくつきの物品を、いかがわしげな人間が持ち込むものだから……どこに罠が潜んでいても不思議ではない。
アンナは店にいながら、毎日のように死線をくぐることに。
これより危険な店もそうはないだろう。
とはいえ、残酷描写に重きが置かれている作品ではない。
魔道具を取り巻く状況や秘密を解明していくミステリーが基本軸で、ヒューマンドラマが織り交ざる。
連作短編の形式をとっているため、問題発生と解決のサイクルが早いのも魅力の一つだろう。
ただ、注意を申し上げておく。
いつ非常事態が発生するかはわからない。
慌てないよう、知識は忘れずにいた方がいい。
油断大敵。一寸先は闇。
ヒリつく緊張感を味わいたい人はぜひ。