あとがき

 現代ファンタジー、「戦隊ヒーローものの怪人に転生したので世界征服目指してみる」をご愛読いただきありがとうございます。

 戦隊ヒーローのロボがSFっぽいと言えなくもないし、特に戦闘がある訳でもないため現代ドラマっぽくもある。ジャンル付けに悩んだけれど現代ファンタジーにしました。


 戦隊ヒーローものの怪人は、なんで戦力を逐次投入して毎回同じパターンで殺されるんだろうという事に疑問に思った事から設定を練り始めました。

 悪の組織は人を不幸にすることは良くしますが殺す事はしてきません。だから人の負の感情でも集めているんだろうという設定にしました。

 けれど怪人に暴れさせなくても社会は不幸に満ちています。つまり悪の組織はわざわざ活動する意味は無いと思いました。


 怪人が暴れなければ正義の味方は過剰な力を持った暴力装置でしかありません。絶対悪がいるからその暴力装置の存在が許されているのだと思います。


 ゲーテの言葉「光ある所に闇がある」は、ある作品のラスボスが主人公に滅ぼされる際に使っていました、「第二第三の我がまた現れるだろう」的な続編へのフラグ的に台詞を言わせるための出だしです。


 闇が無ければ光は輝きを鈍らせます。太陽が出てると月は薄いですし、満月の夜は星もあまり見えません。強い闇を表に出すことは正義のヒーローを強化させるだけなのだと思います。


 悪の組織が消えたあと、正義の味方は所持する暴力装置で何をするのでしょうか?

 僕はそれを使って正義の味方同士がそれぞれの正義を振りかざして殺しあうのではと思いました。人は3人いれば派閥を作るそうです。戦隊ヒーローも悪の組織が滅んだあとは目的を失い、自身の考える正義の元で動くのだと思います。第二次世界大戦後に国際連合軍といえばわかりやすいのではないでしょうか。


 正義のヒーローの操縦するロボは核兵器のようなものだと思います。人同士で使いあえば滅んでしまうものです。ですから抑止力が働く運用がされているのだと考えました。


 アニメでは年端もいかない少年が超兵器をぶっ放す狂った設定もありますが、戦隊ヒーローものは比較的大人が運用しています。ちなみに史上最も狂ったアニメとも言われるチャージマン研の主人公は10歳です。

 サンボット3が12歳、マジンガーZが16歳、コンバトラーVもIQ200の小学生いましたかね。学徒動員どころでは無い若さです。

 子供に玩具を買わせるのに成年の軍人が搭乗者では売り上げが落ちると考えたのでしょうか。それにしても恐ろしい設定です。

 昔の少年はモラルが高かったのでしょうか。いいえ、昭和の漫画を読む限り、現代とそれほど差があるように思えません。

 例えば不良をカッコいいともてはやしている漫画なんかその好例でしょう。主人公目線なので相対的に相手が悪に見えたりしますが、相手からするといきなり殴りこんでくるDQNそのものです。


 実写を使う戦隊ヒーローものでは、青年タレントが起用されています。子タレにアクション演技させるのは無理だという大人の事情なのだと思いますが、見ている側からすると少年が動かしているより納得出来る部分です。


 核兵器は威力向上を目指し続けていた時代があったそうです。ツァーリーボンバと言われている50MTの核爆弾は有名ですね。衝撃波が地球を3周したというとんでもない威力ですが、爆撃機の弾薬庫に収まらない程の大きさがある運用困難なものだったそうです。

 現在は小型核を効率的にばら撒くのが最も効果的だという事が分かり威力向上は目指さなくなったそうです。クラスター爆弾みたいなタイプでしょうか。


 小さい爆弾をばら撒くという設定で考えたのが強化兵です。

 そして戦隊ヒーローの巨大ロボと強化兵が戦ったらという想定で考えたのは、大艦巨砲主義と航空主兵論です。

 あとドローン兵器で破壊される最新型戦車。正規軍のテロ戦やゲリラ戦。そんな事を思い浮かべながら書きました。


 さて、日本は豊かな国です。でも年間約2万人も自殺します。そして行方不明者は約9万人です。約1000人に1人が毎年自殺するか社会から消えるのです。不幸な人って物凄く多いんだなと思います。

 どこかに悪の組織がいて負のエネルギーを吸っているのかもしれませんね。

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戦隊ヒーローものの怪人に転生したので世界征服目指してみる まする555号 @masuru555

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