逆境どころか厳しい運命が待ち構えても、意思で未来を切り開く娘がここに!

「実は自分はお話の登場人物で、未来は決まっている」
こんな辛い状況で、実は主人公は未来を知るアドバンテージを持っていて。通常ならば。

本作で未来を知っているのは、「流コメ」つまり動画配信で流れる字幕コメントを書き込む視聴者。

主人公に未来は未来を知りません。視聴者(と思われる何者)から、無知で脳天気と笑われるばかり。あなたがそんな立場なら、腹が立ちませんか?

主人公は宣言します。腹が立っただけで終わらせません! なんとしても生き残るのです。いや、愛すべき人の、家族の、皆の命も安全も守ります。

欲張りすぎ? そう問われても主人公は止まりません。良家の娘でありながら、知略を尽くし、身の危険も顧みず、立ち向かう姿は凜々しいです。

類は友を呼ぶ。凜々しい娘の隣には、相応しい凜々しい殿方が。女性の夢を体現した男性が主人公に寄り添い、時には離れても身を案じ、互いを思い助け合います。

運命とは、上から見下ろす存在が書いた脚本の如きもの。地上の人間を嘲笑い口だけ出すのなら、人間は意思によって未来を切り開いてよいのです。

本レビューでネタバレはしません。本作の結末に、レビューアーはアッと言わされました。

未来は、自分で変えてよいのです。

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