氷の龍アルベリオは故郷を失い、国家に利用され、深い傷を抱えた存在。そんな彼を救ったのは、権力も力も持たないただの人間――コールでした。絶望の淵で手を差し伸べる少年の背中は、不思議と龍を導く光のように感じられます。オルディアスとの対峙、国家の陰謀、そして永遠と刹那のはざまで揺れる心。戦乱と孤独の中で「居場所」を求める二人の姿が、読む者の胸を何度も揺さぶります。氷と砂漠、龍と人間。相容れないはずの存在が寄り添い合う――その奇跡を目撃してください。
砂漠に墜ちた氷の龍アルベリオと、人間の少年コール。国家の道具として傷付けられ、居場所を失った龍が、たった一人の人間に庇われ、導かれていく姿は胸を締め付けられるほど切実です。戦火に焼かれた過去、背負わされた烙印、そして抗いがたい「龍としての本能」と「人として愛したい願い」。壮大なスケールのファンタジーでありながら、二人の関係は驚くほど身近に感じられ、読んでいると温もりが伝わってきます。「何度でも出会い、何度でも恋をする」という言葉が、この物語のすべてを象徴しているようでした。
竜が絶対的な力を持つ世界で、竜に家族を奪われた貧しい孤児のカールは純白の竜アルと出会います。憎しみの対象であるはずの竜に心を奪われ、葛藤とするカールの心情や、暴竜を止めんと挑み続ける白竜アルの健気な戦いと過去に胸を打たれました。そして人と竜の絶対に越えられない種族の壁に二人がどうやって挑んでいくのか……?結末に再びやられてしまいます。ぜひ御自分の目でその結末を見届けてください!