第6話

間に合った。男の人と隣に座るなんて滅多にない。凄く、緊張する。

瞬 「俺のこれ。」

先にインスタのアカウントを見せてくれた。

華 「ありがとうございます。先フォローしちゃいますね。」

電車に揺られながらだったのでQRコードがなかなか綺麗に読み取れず、2人で笑った。

たわいもない話をした後、これで終わるもんかと思い、放課後遊ばないか提案してみた。

瞬 「いいね。でも今日部活なんだよなあ、」

華 「そうなんですね。何部なんですか?」

瞬 「バスケ。」

華 「わぁ。かっこいいですね。」

かっこいいという言葉が自然と出てしまい、少し恥ずかしかった。

瞬 「でも、今日は休むよ。だから、一緒にどこかへ行こう。」

華 「え、でも、」

瞬 「俺は、華ちゃんと過ごしたい。」

こんな素敵なことを言ってくれる男はこの人以外に居ますか?そう周りに質問したくなるほどとてもいい言葉をくれた。

華 「嬉しい。ありがとうございます。」

瞬「何しよっか。」

華 「ショッピングしたいです。アクセとか欲しい。」

瞬 「いいね。じゃあ一緒に選んであげる。」

華 「ほんとですか!じゃあ楽しみにしてます

。」

もう先輩の降りる駅に着いてしまう。

学校に行く前に好きと伝えておきたい。

華 「私も先輩に一目惚れしました。先輩が降りるまで手繋いでもいいですか。」

先輩は驚いた顔をした。間違えたかな。アタックしすぎた?

すると、先輩は耳を真っ赤に染めて、こう言った。

瞬 「不意打ちずるいよ。」

そう言って、手を繋いでくれた。

こんな早い展開があっていいのかと戸惑いながらも満員電車の中で2人だけの空間に浸り、先輩の綺麗な手と指を見て目を閉じた。

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完璧なあなた たんぽぽ @m_shizuku30

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