愚者とキッチン

斎藤君

愚者とキッチン

良性のほくろの列をなぞりつつ蝋梅めいた予感ばかりを


I'm in the moon 歩けなくなったってこの世の隅までいけないのだし


魂を喩えることのおそろしさまるいあくびに手を差し入れる


全身を風にのませて冬だった慣れない君の猫に噛まれて


発疹は楽しい くしゃみも楽しいよ 通販ばかりの夜のさなかに


街路ゆくどの雪風もぐらぐらでいつか笑って死ぬ時の音 


レモネードまたこぼしてるサブスクの印税のことなんか話して


なんてゆたかな高速道路ペット可の物件までの梔子色の


OK、余裕。どれだけ寒い壁際に逆立ちしても春のキッチン


二枚重ねたチーズが伸びる新しい街の光をとりこみながら


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愚者とキッチン 斎藤君 @jmpm5676

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