その手に握るのは血染めの剣と……雑巾?!

裏社会の男。三十歳を超え、ボスの指図で剣を握る代わりに、雑巾と包丁を握る日々となる。十年後、組織が奇襲を受け交戦中に、四十過ぎた主人公が異世界召喚された。
血染めのくまのアップリケ付きエプロンを身につけ、降り立った彼は。十歳の少年の姿に変わっていた!

硬質で切れのある、スッキリとした文体が読んでいてなんとも心地よい。ダークファンタジー、サイバーパンク、さもありなんな格好良さ。

だが、上記のエプロンの描写にあるように。
シリアスでハードボイルドな世界観に、ちょいちょい家事描写が入るのだ。そして主人公目線で描かれているのでつい忘れてしまうが、ふと10歳の姿であることも。
そのミスマッチが真顔で繰り広げられるので、ブフッっとつい笑ってしまう。

剣と雑巾を持ち、家政婦となった、断罪屋の主人公。
都市の闇を斬り、崩壊させるだけではなく。
再生させるために。『浄化』するために。
真の家政婦として、都市の心の汚れさえ掃除せんと立ち向かう!

私が読んだのは中盤のここまで。ここから先、あなたもぜひ一緒に読んでみませんか?

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