心臓の交換

梅田桃代

心臓の交換

妖精が無限にバラへ寄る時期を抱き止めているゾンビの血筋


溶けていくときは肩から混ざり合うときは吐き出す右心房から


内奥の浮体 縫い目のない都会から垂直に眺める主体


心臓の交換をする円環でベスト・テイクを中断したり


あたためたタオルのそばで討ち合って血の動きはみぞれと誘う


逆向きの双眼鏡でライオンはフープと連なり先の神父へ


傷口をトーチで裂いてくれるなら絶版本を透かす陽光


車窓から運河へ落下する注射針は渦かと気づき離れよ


パーカッション・キャップへ続く右腕が死性をマルシェなどに並べて


放心の祭りに苦痛の律動をチューニングする市街地で聴く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

心臓の交換 梅田桃代 @umedamomoyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画