跋
ここからは後書きのようなものです。
まず、ここまで読んでくださりありがとうございました。
読んでくださる貴方がいるから、物語を続けられます。
随分昔に書いた小説ですが、それなりに思い入れのある話だったので、貴方に読んでいただけてとても嬉しいです。
だいぶメンタル逝ってたときに書いたものなので、話が全体的に暗いし、主人公は面倒臭い嫌な奴だし、なかなかに救いようのない物語だなと読み返して思い知らされます。
でもまあこういうのもこういうのとして書くの好きなので、これからもこういうのを気が向いた時に書いていけたらなぁと思います。
このお話は、魔法を使えない魔法使いと、捜査ができない警官が、互いの短所を認めながら共闘する話です。
また、人を信じられない孤独な少年と、人を信じすぎてしまう女性がバディを組んで、本当に人を信じられるようになるための話でもあります。
私たちは信じたいものを信じる都合のいい生き物です。
しかし信じたいものと信じるべきものは全く違います。
寂しがりの私たちは自分の半身のような相棒を求めるくせに、ちゃんとその本質を見て信じているわけでもなく、欲しいものを相手に投影して相手を歪めてしまうものでもあります。
そんな当たり前の考えながら書いたような記憶があります。
私たちは人と会話していれば1日に数回は嘘をつくし、幾人もから無数に嘘を浴びせられます。
嘘は信頼関係を破壊するものだし、信じたい人を信じられなくしてしまいます。
ですが私たちは嘘から逃げられない生き物です。
嘘をつかずにはいられないし、ズルをするし、他人を出し抜こうとする卑怯者でもあります。
多分まともな大人になると、自分も他人もそういうものなんだということを心のどこかで受け入れるようになるのではないのでしょうか。
それでも、そうはいってもやっぱりどこかで、嘘ひとつなく、恥ずかしい私の内臓を晒しても受け入れてくれる、いつだって最後まで信じられる人が一人くらいいて欲しいなと思わずにはいられないのだろうとも思います。
これはそういうお話です。
他人という嘘の塊とうまく付き合いたいけれど、その距離感がいまだによくわからないという貴方に届いてくれたらいい、そういう思いで書きました。
というのは真っ赤な嘘。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
また貴方とお会いできたら幸いです。
狐のお姉さんを神様にするために金稼ぎ大好き男子高校生が頑張る物語も書いています。こちらもご笑覧いただけると幸いです。
https://kakuyomu.jp/works/16818093090649617587
それではいつかまたどこかで。
さようなら。
2025/10/27 28
魔法使いは悪魔と嘘と戯れる 28 @twobee
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