100年計画

ヤマシタ アキヒロ

100年計画

100年計画を立てるとき

その完成の暁には

明らかに

私はそこにいない


しかし

喪失の悲愴感は

どこにもない


50年計画―――

やはり私は

その場には

いないであろう


30年計画―――

おそらく

ヨボヨボの私が

そこにいるであろう


10年計画―――

きっと

今とさほど変わらない

ギラギラした私が

幅を利かせているに

ちがいない


そしてその計画の成否に

一喜一憂しているか


100年計画は

夢のためにある


子供たちの輝かしい未来が

そこに垣間見える


10年計画は

悪く言えば

欲のためにある


自分自身の捨てられないエゴが

どっかと居座っている


ここから導き出せる答えは

すなわち―――


われわれは

他人のために

生きるときにこそ


利害や執着を捨て

はじめて「無私」の領域に


入れるのではないか


        (了)




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100年計画 ヤマシタ アキヒロ @09063499480

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