100年計画
ヤマシタ アキヒロ
100年計画
100年計画を立てるとき
その完成の暁には
明らかに
私はそこにいない
しかし
喪失の悲愴感は
どこにもない
50年計画―――
やはり私は
その場には
いないであろう
30年計画―――
おそらく
ヨボヨボの私が
そこにいるであろう
10年計画―――
きっと
今とさほど変わらない
ギラギラした私が
幅を利かせているに
ちがいない
そしてその計画の成否に
一喜一憂しているか
100年計画は
夢のためにある
子供たちの輝かしい未来が
そこに垣間見える
10年計画は
悪く言えば
欲のためにある
自分自身の捨てられないエゴが
どっかと居座っている
ここから導き出せる答えは
すなわち―――
われわれは
他人のために
生きるときにこそ
利害や執着を捨て
はじめて「無私」の領域に
入れるのではないか
(了)
100年計画 ヤマシタ アキヒロ @09063499480
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます