青空の角度

把手

第1話 青空の角度

青空も泣くことがあるそういえば勝手に描いた天気図だった


蟬時雨不意に途切れて気付かずにいたおしまいが聞こえ始める


でも尋ねずにいられない水たまり塩辛蜻蛉がつつくみたいに


陸地には終わりがあるということを飽きるほど見て君は育った


山々に背伸びをされて取り分が少ない僕のふるさとの空


飛べている間の蝶は泥濘みに浸からなかったそれだけのこと


沈黙のオフスイッチが見当たらないボーカルを取るはめになる風


青空を青くできないままだった僕らにはくもり止めが効かずに


三行でインクが切れたこのあとの凹みを読んでくれるだろうか


死に蟬が抱え込んでた明日に似た角度が僕らにも少しある

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青空の角度 把手 @knob60

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