通知音から始まる現代的な恋心。
その音一つで、読んでいて、心拍数が上がってしまいます。
画面が暗転するたびに触って、また暗くなったら触って。
その繰り返しでスマホが熱くなっていく描写が、美しいです。
物理的な熱と心の熱が重なり合い、指先から伝わる温度が、そのまま恋する気持ちに同期する。
返信ボタンを押すまでの緊張感。
たったワンタップなのに、世界で一番重要な瞬間のように感じられる。
そして最後の一行。
この詩的な表現に、思わず息を止め、恋する人への思いと、恥ずかしさが、ぴったりとハマりました。
まさに、今、この瞬間だけに見つけることが許された宝石のような作品です。