SFオタクの眠りが、世界の終焉を告げた

静かな大学の講義室で、青年はうたた寝をしていた。
ただの居眠り、ただの昼休み。
……そのはずだった。

死んだはずの友人、赤く染まった空、
人々を貫く木の枝と、降りてくる巨大な手。
悪夢のような異常事態の中で、彼は世界の崩壊を「体験」する。

目覚めれば、すべてが元通り。
だが確かに「見た」。
彼女が、血を滴らせながら、静かにこちらを見つめていたのを。
あれは夢か、記憶か、それとも……。