『にくゑ-本編』本作の作者“カクナ ノゾム”氏は特筆すべき技量の持ち主だ。
情景描写、状況説明そのどちらにおいても読み手が想像する景色の一助となる表現や小物が読み進める度に小気味良く差し出され、気づけばするりと“その場所”に連れ出されてしまう。
本作の導入は、決して過激なものではない。母の故郷である山間の小さな村へと越した娘『梓』
一見すると牧歌的な田舎の村だが、そこにはそこはかとない違和感が漂う…
どこかおかしいという思いを抱えながら、彼女は日常を進んでいく。だがある時…
複数視点からいくつもの違和感と謎が徐々に解き明かされ、一本の道へと収束していくその手腕は見事の一言。
どうか二章まで読んでいただきたい。
気づけば、あなたもこの村から逃げ出せなくなっているはずだ。