第2話 助けられたのはまさかの sideレイナ

 今日は学校の課題でダンジョンに潜ることになっていた。ソロだと難しい危険度8のダンジョンだけど学園の人たちとパーティを組んでの攻略なら問題ないはずだった。


 実際に私個人の実力はAランクに届くと言われていて、残りの7人もBランク相当の実力を持っていた。50層まで余裕だったのだからもちろん慢心はない、ダンジョン内部は至る所危険が隠れており、危険度8のダンジョンなら即死級のトラップも存在している。


「ここが50層ですか、東さん気をつけてくださいね」

「分かっておる!この俺が皆を守ってみせる」

 東さんはタンクだけど、シーカーの資格も持っているから学園でもとても人気な存在。


「それにしても、レイナちゃん今日も配信してるのね」

「はい、これは私の趣味のようなものですから西田さんは何か趣味はありますか?」

「あたしぃ〜?ないわよそんなもの、あっ!けど、いい男居たら紹介して欲しいわぁ〜」

 西田さんは個性的な人だ、男性なはずなのに女性のような口調で話している。それでも中衛でパーティの根幹をなす凄腕の人。


「ねぇ、東堂さんもし良かった今度一緒に出かけない?」

「おい、南川!抜けがけは卑怯だぞ!俺が美味しいって評判のケーキ屋に案内してあげるよ」

「ありがとうございます。南川さん、北野さん。また今度ほかの人たちと一緒に行きましょう」

 南川さんと北野さんの2人は前衛で戦ってくれている、最初仲が悪いと思ったけど、2人は幼なじみらしく小さい頃からずっとこんな感じらしい。


「ちょっと男子!静かにしなさいよ!ここは50層なのよ!ちゃんとしてよね!」

 中野さんは私がダンジョンに潜る時大体一緒に潜ってくれる仲のいい同性の子。サポーターでパーティの荷物や魔石や素材を回収してくれて、一般の男性より力も強い。


「中野さん疲れてませんか?」

「大丈夫よ!私これしきでは疲れないから」

「そうそうちーちゃんは力持ちだしスタミナオバケだもんね」

「何よ!みーちゃん私がゴリラだって言いたいの?失礼しちゃう」

 みーちゃんこと下野美琴さん後衛で弓の腕前は県一位の実力を持っておりどんな体制からでも魔物の急所を的確に狙ってくる。


 そんな時だったボーンドラゴンが現れたのは、50層の情報はある程度集めていたがボーンドラゴンが出るという情報はなかった。

 イレギュラーな存在ダンジョンで時々現れる魔物ボーンドラゴンは硬い骨でできており、斬撃や打撃武器では倒せるはずがなく、ボーンドラゴンに出会った時の対処法は隠れるか全速力で逃げるしかなかった。

 最初にやられたのはタンクの東さん、東さんを助けるべく中衛の西田さんが動き、それに続いて前衛の北野さんと南川さんがサポートに入った。

 けど、あっけなくやられてしまい、サポーターの中野さんを下野さんが守る体制に入り、私は一瞬動揺してしまったが、すぐさま武器を構えたが中野さんと下野さんがやられ私しかいなくなってしまった。

 私は目をつぶり衝撃に備えたが衝撃は来なかった。声がかかり恐る恐る目を開けるとそこには私の好きな人が立っていた。


「お怪我はありませんか?」

「・・・・」

「あの?大丈夫ですか?」

「・・蓮也?」

「はい?そうですけど...え?レイナ?」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 蓮也は私に帰還用の帰還石を持たせダンジョンの奥へ走って逃げて行った。


「はぁー、蓮也はまた都合が悪くなったら私の前から逃げる癖まだ治ってないし、けど良かった帰還石持たせてくれて。あっ!配信忘れてた」


 ”レイナちゃん大丈夫???”

 ”てかさっきの男誰だ?”

 ”レンヤって言ってたぞ”

 ”ボーンドラゴン一瞬で倒してたぞ”

 ”レイナちゃんとレンヤは知り合いなの?”

 ”親しげだったな”

 ”まさか?!彼氏彼女なのか?”


「み、みんなごめんね心配かけちゃったね。とりあえず私たちのパーティはみんな無事だよ。一旦これで配信は終わるね、後日詳しいことやみんなからの質問に答えていくからそれまで待ってて欲しいな」


 ”分かったそれまで待機する”

 ”全裸待機なら任せろ”

 ”彼氏彼女なのか今聞きたい”

 ”待ってろって言われただろ”

 ”レンヤってやつ探して聞き出してやる”

 ”でた、ユニコーン顔真っ赤”

 ”人の話はちゃんと聞きましょうね”


「みんな、喧嘩はダメだよ。それじゃあおつレナ」


 ”おつレナ”

 ”おつレナ”

 ”お連レナ”

 ”おつれな〜”

 ”おっおっ”


 蓮也に助けられてから、翌日私は昨日の事を説明するべく配信を開始した。


 ”レイナちゃん待ってたよ”

 ”昨日の話の続きを”

 ”彼氏彼女じゃないよね?”

 ”やぁー”


「みんなお待たせ、昨日の説明をするね、彼の名前は蓮也。一応私と彼は婚約者なんだけど、それはお互いの両親が勝手に決めたことなのね」


 ”ふぁー婚約者だったとは”

 ”レンヤ〇す”

 ”は?”

 ”嘘ありえないでしょ”

 ”レイナちゃんはみんなのアイドルでしょ?”

 ”ユニコーン共慌てて草”

 ”ユニコーンに効果抜群だww”


「お、落ち着いて。それに、私はともかく蓮也は私から最近逃げ出してるし。てな訳で今日蓮也を呼んでいるの、もうすぐ来るはずなんだけどな、連絡まだ来てない、あいつすっぽかしたな」


 ”レンヤまた逃げてて草ww”

 ”草に草を生やすな”

 ”レンヤ逃げる”

 ”レンヤなんて居なくていいよ”

 ”レイナちゃんの雑談でいいよ”

 ”レンヤなんであんなに強いんですか?”


「蓮也があんなに強かったのは私にも謎なんだよね、元々一緒に学園に通いたかったし、ダンジョンだって一緒に潜りたかったのに、あいつは面倒臭いから俺普通の学校に行くって言ってもう一人の幼なじみと一緒に一般高に行ったんだよ!もう最悪」


 ”レイナ氏レンヤの事が好きな模様”

 ”はぁ?何言ってるの?”

 ”おいおい、そんなこと言ったまたユニコーン共が騒ぐぞ”

 ”火に油を注いでいくスタイル”

 ”レンヤ〇す〇す”

 ”レンヤを〇すって言ってる奴返り討ちにあうぞ”

 ”てか昨日のアレフェイクだから”

 ”おっとぉ???どっからどう見てもモノホンだろ”

 ”フェイクってことにしておかないとユニコーン共の精神がおかしくなっちゃうから”

 ”草”


「ま、まぁそういう訳だからこれで終わるね、みんなおつレナ」


 ”お連レナ”

 ”おっおっ”

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ダンジョン配信〜たまたま助けた人の配信に写ってバズってしまう。え?ここ危険度10?そんな訳ありませんよ〜 @keitanosoke

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