No.2 第5話の感想

 続きです。


>第5話 真に恐るべきは……


 おっと、荷台の中身の話でしょうか。



> 企業の武装トラックの積み荷を回収して指定の場所に届けるお仕事(ティア3)、報酬は5万クレジット。企業相手であることを除けば、内容としてはただの強奪依頼。そこまで難しい依頼ではない……はずだった。


 お仕事内容の復習です。



> …… アリソンは、依頼された積み荷を確認すべく荷台のコンテナの扉をバーンと勢いよく開いた。

>「なにこれ……」

> 思わず呆然と呟いたアリソンの眼前に現れたのは、磨き上げられた箱型の漆黒の胴体に巨大な30㎜ガトリング砲を左右に二門ずつ備え、八本の脚を持った機体。


 ロボットです!

 クモ型? タコ型?



> カメラやセンサーとして機能すると思われる目状のものが胴体前部に四つずつ二列に縦に並び、いまにも動き出しそうな雰囲気すら漂っていた。

> 依頼の積み荷は、企業戦争時代に猛威を振るった重厚な自律多脚戦車、スパイダー・デストロイヤーだった。


 クモ型でした。

 戦車扱いなんですね。



> …… 自分が何をやらかしたかを思い知る。スノードロップの意匠が施されたハンドガンでボンネットを撃ったのは警告のためだった。

> その時はさして考えてもいなかったのだが、その一発はエンジンをおしゃかにしていた。徹甲弾が空けた風穴はエンジンルームはおろか、車体下部を突き抜け、乾いた路面がくっきり拝めるほどの大穴だった。


 あー、やっぱりやっちゃってましたね。



> アリソンが依頼を果たすためには …… コンテナごと運ぶ必要があり、それを牽引するためのボンネットトラックは自らの手で破壊してしまったのだ。


 というか、別の手段があるのだと思っていました。 



> 主を失ったオープンボディの警備車両は当然こんな大荷物を牽引するようなスペックは無いはずで、…… つまり、完全にお手上げだった。

> 辛うじてローカルネットの通信範囲が届く場所だったことは不幸中の幸いで、アリソンはシャオヘイを呼びだす。


 助けてドラえもん。



> ホロコールにひょいっと顔を出したシャオヘイは、それはそれはニコニコと満面の笑みを浮かべていた。

>「もう終わった?」

>「ごめん! ボクやっちゃった」


 素直なアリソン可愛い。



> シャオヘイとアリソンは同時に切り出した。片方は依頼報酬を何に使うか待ちきれない様子、片方は依頼が達成できそうもないと思い詰めた悲壮な様子で。

> そしてシャオヘイが爆発した。

>「今度は何やったの? え? エンジン壊した? また余計な物を斬ったの? 斬ったんじゃない? 結果は一緒じゃん! ごめんじゃないよ!」


 責められるアリソン。

 しゅんとしているのが想像できます。



> 普段の温厚で何事も淡々とこなすシャオヘイは、アリソンが見たこともないような剣幕で捲し立てた。


 そんなに? 怒られること?



> アリソンが途中途中訂正したり詫びたりする言葉は次々と遮られ、あるいはその言葉がまたシャオヘイをいっそう怒らせる。


 キレてらっしゃる(笑

 このコメディ部分は軽く描写が欲しかったかも。



>「それで、わたしに牽引トラックを運転して迎えに来てほしい、と。そういうこと?」

> まだ怒気の乗った、しかしわざとらしくゆっくりと尋ねたシャオヘイに、アリソンは力なく「うん」とだけ答えた。


 怒っても手段があるところが素敵。



> シャオヘイはぷいっと横を向いて黒髪の三つ編みを人差し指でもてあそびながら、「どうしうようかなぁ」と気のない返事をする。

>「行ってもいいけど、もう少し後先考えないやり方を直さないと、その大事な眼鏡、隠しちゃうよ?」


 まぁ、問答無用でしたからね。

 1人生かして運転させて、ゴールで殺るって手もあったわけですし。



> 賢いシャオヘイがそんなことをしたら、きっと探し出すのは至難の場所に隠してしまうに違いないと思うと、アリソンは空恐ろしくなる。

> …… 自信がある彼女も、…… 唯一心を許していたシャオヘイ相手ではあまりにも勝手が違った。寝ている間も外さない眼鏡を寝ている間に隠されてしまったら……。


 力関係(笑

 まぁ、物理で争わないなら頭脳派が必然的に強いですよね。



> ボクの眼鏡の最大の危機と悟ったアリソンは、平謝りに謝る。これでもかと拝み倒し、「なんでも一つ言うことを聞くから」と悲鳴に近い叫びまで上げて、シャオヘイの機嫌を取ろうと思いつくあらゆる謝り方を片っ端から試した。


 アリソン必死すぎて可哀そう。

 というか司令塔で依頼に関してパートナーなら許してあげて。


 文法:「平謝りに謝る」だと頭痛が痛い的なやつです。



>「なんでもかー。それじゃ、こんどデートに行こっ、ね? それで許してあげる」

> ケロッと機嫌を直して、すっかり優位に立ったシャオヘイの顔は、ホロコール越しでもじゅうぶん伝わる、参ったかとでもいうような勝ち誇った表情で迎えに行く条件を突き付け、アリソンは諦め顔で「わかった」と答えてホロコールを切った。


 ですよねー(棒

 頭脳派ってこういうもんです(笑

 ところでデートが条件て、アリソンそんなにデート嫌なの?


 文法:~条件を突き付け、アリソンは~ の部分は、句点「、」で接続せずに読点「。」で切ったほうがよいと思います → ~条件を突き付ける。アリソンは~



> 通話を終えると、…… ボンネットに乱暴に座り、二本の足をバタバタさせながら燦燦と輝く太陽を見て大きく溜息を吐いた。

>「ボクが悪い……わけじゃない……、と思うんだけどな……」


 いやまぁ中身知らずに輸送手段を壊した時点でアウトでしょう(笑





 以上、第5話でした。


 ターゲットの中身が怪しい兵器というところにきな臭さがありました。

 が、それ以上にアリソンとシャオヘイのコミカルなやりとりが面白いお話でした。


 少しだけ気になったことを言えば、アリソンの情緒的な変化をぜんぶ行動で表していたことでしょうか。

 表情変化や、心理描写などが少し入っていると、もっと共感できたかもしれません。 


 次のお話も読んでいきます。




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