2+1=?

蒼ノ下雷太郎

第1話

トラック1


//同好会・放課後

//一つのソファーに二人の少女が座っている


後輩:「ねーねー、先輩」


先輩:「何だよ」


後輩:「チビで、小っちゃくて、ミニマムなせんぱーい」


先輩:「殺されたいのか、お前?」


後輩:「暇すぎてしょうがないんすよー」


先輩:「お前ねー、そういうのよくないよ?」


後輩:「ん?」


先輩:「常に何かしなきゃ気が済まないの。昨今、生き急いで苦しむ輩が多すぎるよ。たまにはね、お風呂でのほほんみていな気持ちでゆったりするのも悪くない。ほら、この部室はこうやって、我々を受け入れてるじゃーないか」


後輩:「……いや、ソファーで寝っ転がってるだけじゃないすか」


先輩:「てか、お前もうちょっと端行けよ。カラダでかいんだよ。ビックフッド」


後輩:「ひどくなぁーい!? ひどい。信じられない。背が大きいの気にしてるのにさ。だから身長伸びないんだよ」


先輩:「お前だってさっきからボクに精神攻撃しまくりだよね!? うるさいな。身長のことをあれこれ、あれこれ。人としてどうかと思うよ。マジ、お前の骨を切って移植できんのか?」


後輩:「速効で背のこと言ってるというか、怖いよ先輩! 私の骨見ないで! やだ、ちょ。何考えてるの。金田一的な事件起こさないでよ?」


先輩:「……お前、背だけじゃなくて胸もでけーな」


後輩:「ホント、どこ見てんだよ!? サイテー。先輩、脳みそが男。男子だよ、男子。女の顔であれこれ言って、あれこれ最低な思春期男子だよ」


先輩:「そこまで言うか。一を言ったら、百で返してくるやん」


後輩:「だって、先輩がひどいんだもーん。……はぁ、やれやれ。やっぱり私がいないと先輩はダメだな」


先輩:「はい?」


後輩:「ほら、先輩。私以外友達がいないじゃないですかー……ごめんなさい。私もです」


先輩:「自分で言って即傷つくな。ボクが言ったみたいだろ」


後輩:「……うぇぇぇぇんっ、だってー」


先輩:「あーもう、泣くなよ。ほら、ハンカチ――鼻かもうとするな! ダメ! バカ!」


SE:ドアをノックする音 数回


後輩:「ん?」


SE:ドアを開ける音


一年生:「失礼します」


後輩:「あれ、一年生? そのリボンの色」


一年生:「あ、はい。そうです。始めまして」


後輩:「いや、始めましてだけど。……どういった用事? ここ、あの同好会だけど」


先輩:「あれ?」


一年生:「お姉ちゃん」


後輩:「……ん?」


先輩:「妹ちゃん……」


後輩:「えええっ?」


一年生:「お姉ちゃんのバカ! け、結婚してくれるって言ったのに!」


後輩:「えええええええええええええええっ!?」

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