星のターミナル
クライングフリーマン
星のターミナル
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、星のターミナル。
宇宙連合の規定により、星から星への移動は「ヒーロータイマー」が無い限り、宇宙列車に乗って移動することになっている。
改札口。
「ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメ。ダメって、何回言った?」
「13回。」
「ブー。14回。『豚の惑星』行きはね。3分前に出発したの。明日、出直しましょう。ブヒー!!」
「女房の実家に行きたいんですよお。」
「だったらさ。1ヶ月前に予約チケット買えばよかったじゃない。」
「そこを何とか、お母さん。」
「甘えるんじゃない!公私混同禁止!!あんなだらしない嫁貰うからこうなる。ブヒー!!」
「でも・・・。」
「デモもストもお菓子も案山子もない。孫はどうした?」
「まだ・・・。」「じゃ、いつだ。カレンダーに書いて置くから、言ってみ。」
「まだ、兆候はありません。」
「はい、次の人!!」
隣の「駅員」の様子を見ていた駅員は、言った。「大変だなあ。俺、長男でなくてよかった。」
「え?私、次男ですけど。列車乗れないんですか?」
「ああ。独り言です・・・1時間後に出発しますから、15分前までには戻って下さいね。」
その駅員は、目の前の客の切符を切った。
駅長室。
「だから、金出せって言ってるだろ?」
「アンタ、バカア???ここは、ターミナル。金があるのは金星。社会で習わなかった???」
強盗らしき男は、『腕十字固め』をかけられ、ターミナル警備員に逮捕連行された。
自動券売機前。
「切符、買えないぞー!!」
タコに似た宇宙人は怒鳴った。
隣に並んだ、兎に似た宇宙人は言った。
「生体認証知らないの?まずは、血圧下げないと。ほら、重から逆順に数えてみて。重、休、蜂、質、禄・・・。」
「禄、後、詩、産、似、一。」タコ宇宙人は、宇宙コインを券売機に入れ直した。
切符がストンと受取口に落ちた。
「うさ・・・あり・・・。」タコ宇宙人の荷物は消えていた。
突然、館内アナウンスが流れた。
「宇宙気流の為、揺れますので、ご注意下さい。」
コンコースを走る駅員の女性。
「くらー。勝手に乗ろうとするなー!!」
いつかの、どこかの、あるかもないかもの世界。
―完―
星のターミナル クライングフリーマン @dansan01
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