ボクッ娘クラスメイトは今日も騒がしくて可愛い

くうき

第1話 ボクッ娘は今日も五月蠅い

 高校入学して2週間が経過した。俺、風祭椿稀かざまつりつばきは友達が全くできていない。と言うのも、中学時代に起きたトラブルが原因なんだけどね。


 それは、中学2年の夏にしては涼しい日のこと。木陰で本を読んでいる所に、他中の不良と、うちの中学の不良が抗争をおっぱじめていた。それで、何故か巻き込まれて、全員のして………気づいたらその町一帯を治める番長になってた。

 そこから、背ひれ尾ひれが大量にくっついて、気が付けばボッチになっていた。いやぁ、理不尽だよねぇ。俺、別に自ら悪行に手を染めてないんだよ。入学式前日にもさぁ、妹と散歩してたら誘拐犯と勘違いされて職務質問ウケる羽目になったし。


 本当に、何でこうも運の悪いことって起きるんだろうなぁ。なんか、陰口で薬やっているとか人を殺めているとか言われるけど、そんなことやってないわ!!


「……-い、おーいって!!」

「うわぁ!!び、びっくりさせんなよ~、まつり。」

「椿稀が上の空だから悪いんだよ~だっ!!」

「あ、あぁ。ごめんな。」

「ボクが何度言っても反応しない悪い子にはこうだ~!!」

「ちょっ、やめっ!!」


 俺の頬をムニムニと弄り始めた少女の名前は雨ノ森まつり。クラスメイトで唯一と言っていいほど仲のいい友達で、同じ部活動に所属している。


「あっ、そうだ。もうそろそろ放課後だし早く部活いこっ!!」

「分かった、分かったから。腕引っ張らないでぇぇえ!!もげる、もげる!!自分の力の強さ考えやがれ、ゴリラ女!!」

「言ったなぁ!!椿稀のバカっ!!」

「ギャアアア!!痛いって!!千切れる~!!」


 怒号のような悲鳴を上げながら俺はまつりに引っ張られて、部室まで引きずられていった。骨折れたかと思ったマジで。ちなみに、俺とまつりは家庭科部に所属している。


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「悪かったって、まつり。」

「…………ボクに対しての誠意が足りないと思うんだよね。後、デリカシー。」

「前者に対しては謝罪するけど、後者に関してはまつりもどっこいレベルで酷いと思うが?」

「………うるさいうるさいうるさい!!ボクが絶対なの!!」

「おい、何かどこぞの頭に耳の生えてる娘みたいな発言だけはやめてくれ。訴えられるわ!!」

「ちょいちょい、2人とも喧嘩はやめなぁ。そろそろ料理したいから夫婦げんかやめてねぇ。」

「「夫婦喧嘩じゃない!!」」


 部室に入ってからも、俺とまつりは言い合いが止むことなく、ぎゃあぎゃあとわめいていると、いつ入って来たか分からない、部長こと陽川紗良ようかわさらは茶々を入れて俺とまつりのことをおちょくっていた。

 今日も五月蠅い放課後が始まる。それが何となく心地よさを覚えている。


「さて、冗談は置いといて、今日は料理つくりましょう。簡単な奴。ねね、椿稀君、何か無い?程よく時間の潰せる料理!!」

「あぁ~、電子レンジで作れる茶碗蒸しがあるんですけど、それやってみます?」

「う~ん、採用!!作ろう!!」

「ボクも楽しみだなぁ~、頑張れ!椿稀!味見は任せて!!」

「お前も作る………おう、頑張るわ。」

「ちょっと待って、ボク戦力外にされた!?」


 あはは~。そんな訳ないじゃないか。過剰戦力だったから、削ぎ落しただけだよ。(棒)決して、五月蠅いからって理由じゃないからな!!決して!!


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あとがき。


 久しぶりにラブコメの設定が浮かんだもので書いてみました。ボクッ子ヒロイン大好き人間です。次回も出します。

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