『拝啓』の用法が間違っていますが、語感が好きなのでそのまま使用しました。
ご容赦ください。
作者様自身はこれを『私小説』と位置づけられていて、中身は『どんどん大成(売れて)していく小説仲間たち』、対して、書けども書けども、一向にPVすら伸びない『俺』。
筆を折ることはしませんでしたが、私も何ヶ月もの間、カクヨムを離れることが何度もありました。『俺』よりはるかに、短い周期で。
本作の白眉とも言える点は、作者様が『俺』について一切のごまかしをせず、自分の弱さ、逃避、妬み、そして絶望の激しさなどを克明に記している点です。
そしてそれは、私にも確かにあった、あるいは、今もあるかもしれない、飼い慣らせていない感情なのです。
最終話に伴い、『俺』から私に、ある問いかけがありました。
カクヨムユーザー二年半の私に、どすんと届くものでした。
忘れてはいけないものは、きっとあるのです。現実がずっと、追いつかないままでも。
ここに、あるひとつの『物語』があります。
皆様が何を得るか、一読者として確かめたい思いもあり、レビューコメントを残すことにしました。
改めて、拝啓 ねこラシ様。
大変な作業だったと推察しますが、この作品を送り出してくださり、ありがとうございます。