アイドル 宮園沙耶

第14話 喫茶店のダイアログ


俺、篠宮 蓮は喫茶店アンリミテッドで、

今までの出来事を整理していた。


まず、俺はギャルげー「君と紡ぐ三年間」に転生した。

噛ませ犬の篠宮 蓮として。

学園時代は、原作通りに動いた結果、

主人公(佐伯 悠真)は正統派ヒロイン(水瀬 梨花)とが結ばれ。

原作通りのハッピーエンドを迎えたはずだった。



しかし、、

その主人公 佐伯は浪人し、ヒロインへの当たりが強くなり。

そのヒロインは、佐伯のために怪しいバイトをしようとして

危険な目にあった。



何か、誤っていることはわかる。

しかし、その原因が見えない。


「悩み事ですか?」


そんな、言葉を投げかけながら

マスターが俺の前にコーヒーを置く。


「は、はい。ちょっと友人のことで、うまく行ってなくて」



マスターは優しく微笑み

「そうですか。もしかしたら、友人の認識の根本的なところを誤っているのかもしれませんね」


と言った。


友人の認識。

佐伯や、水瀬の認識か、、、

ギャルゲー「君と紡ぐ三年間」

の主人公とヒロインとしてしか見てなかった。からな。

もっとキャラクターじゃなくて人間として見た方が良かったのかもな、、


だって、あのギャルゲーは鬱展開はほぼないわけだし。

こんな状況になるわけない。


あまりの都合の良さに

都合が悪い展開しか起きない2次創作作品ができるくらいだ


たしか、、「君と過ごした三年間」という作品だ。

その作品では、原作の世界のあとヒロインたちが様々な方法で破滅していく話を描いている。


、、待て。


もしかして、今いる世界って

二次創作の中じゃね?





そう思った瞬間背筋に寒気が走る

「どうかしましたか?」


マスターが俺を心配する

「大丈夫です、、」


そういいながら、ヒロインたちに起きる惨事が

俺の脳を駆け巡る


ふと、喫茶店にあるテレビに目をやる。



BGM代わりに流しているのは情報番組。

ふと、画面に鮮やかなステージの映像が映った。


センターで踊る一人の女性。

高く結い上げた黒髪、しなやかな動き、作り物みたいに整った笑顔。

──宮園沙耶。


佐伯の幼なじみで、二人いる幼なじみキャラのうちのひとり。

宮園は小学生の頃まで佐伯とべったり一緒だったらしい。

俺が知っているのは、主にゲームの記憶からだ。


 小学高学年の頃、宮園は佐伯のことを好きになった。

でもその気持ちは伝えられないまま、彼女は芸能の道へ。

高校で佐伯と再会した時には、すでにアイドルとして華々しくデビューしていた

ゲーム本編でも、現実でも。




もし、ここが2次創作の世界だった場合、彼女は悲惨な運命が待っている


この世界の住人に

例え、善良なファンやアイドルがいたとしても


ヒロインたちと彼らを繋ぐ縁はすべて断ち切れている。



すべてが、うまくいかなくなる世界。


それをどうにかするには

イレギュラー転生者の俺がキーマンになる。


そんな勝手な、使命感を俺は持ち始めた。



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