短歌 『盂蘭盆会』

白銀比(シルヴァ・レイシオン)

神隠し


 夕暮れに 和太鼓響く祭囃子

      提灯、屋台 踊らにゃ損そん


 人込みに流れる熱と恋心

      うなじに垂れる 襟足の


 フワフワと雲のような甘いもの

       買ってくると下駄鳴らす


 想い人 待てど暮らせど 探し人

      社の神と待ちぼうけ


 お参りし 連絡入れるが既読なし

      無事を願って神頼み


 何処へやら 祭り賑わう神宮の

      ピーヒャラピーヒャラ宴もたけなわ


 似た風貌 目で追いかけて 暗がりの

      他人の空似 うな垂れこうべ


 送り火の古屋に並ぶ帰り道

      一人寂しく 天仰ぐ


 翌年も 想いを馳せて 夏祭り

     晩夏の夜に頬濡らす

     

 盂蘭盆会うらぼんえ 時期早々に彼岸花

        此の地彼の地

            神隠し・・・・・・

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短歌 『盂蘭盆会』 白銀比(シルヴァ・レイシオン) @silvaration

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