兼六園は雨

兼六園は雨

せっかく金沢だからと

兼六園にバスで寄る

私は庭園の情緒がわからない

緑グラデーションなのはパンフだけ

歩いてる沢山の人々の

服やら傘やらで色鮮やか

全員スマホで何かを撮ってる

傘持って荷物持って大変だ

私はファインダー越しより

目で見る方が好きだし覚えてる

私は庭園の情緒がわからない

抹茶、和菓子付きってメニューの

小さい茶屋には興味示す

君と一緒なら一服したかな

連休取れるって言うから

新幹線もホテルも手配したのに

やな予感してたドタキャン

油断禁物のトラブルシューター

全部キャンセルも口惜しいし

「じゃいいよ、一人で行く」

「地図読めないでしょ」

「なんとかなるよ」

なんとかは、なってる

おでんも能登牛もノドグロも

美味しいものは食べたし

お酒も飲んだし

でもやっぱり「美味しいね」って

言う相手が欲しいな

「兼六園混んでたね」って

分かち合いたいな

古き良き街並みを見たかったけど

なにしろ雨　本降りの雨

尾山神社と兼六園で充分とする

でもまた来るからね

九谷焼の豆皿　一枚だけ買う

磁器は繊細で綺麗で

私の大雑把な料理に合わない

これはアクセサリートレイに

人を招くとの招き猫

君に一匹持ち帰る　三毛ちゃん

お金を招いた方がいいのか

でもやっぱり『人』じゃない？

一人で意地張った金沢

今度は一緒に来るからね

次にはちょっとは私でも

役に立つよ　部分的ガイド

今度はね

今度はきっとね

だから次は

きっと晴れてね

金沢の守り神が誰かも知らず

勝手に約束して新幹線

きっと晴れてね