Burn Lethal

鯔副世塩

第1話

赤い月がエクス・エセネースの歪んだ夜空を照らしていた。路地裏から立ち上る腐臭が鼻を刺す。ドゥルガーの鋭敏な嗅覚が捉えたのは、獲物の気配だった。


「……来たな」


彼女は静かに呟いた。紅蓮の髪が夜風になびき、その瞳には冷たい殺意が宿っている。いつもの冷静さの中に、腐蜍虫に対する深い憎悪が潜んでいた。かつて愛した男性を奪った怪物。その復讐心が今も彼女の原動力となっていた。

突然、角を曲がった先で物音。ドゥルガーは躊躇なく踏み出した。


グチャリ……と湿った足音が聞こえる。街灯に照らされた影が異常な形をしている。


「オイィィ……」


不快な鳴き声とともに、腐蜍虫が姿を現した。三メートルはある巨体。茶色がかった灰色の皮膚は粘液でぬめり、無数の疣が脈打っている。長細い二本の舌が宙を舞い、六本の節くれ立った脚が不規則に動き回る。その下腹部の穴からは既に腐臭を放つ液体が滴り落ちていた。

ドゥルガーはビキニ水着の露出度高い衣装姿に変わっていた。しかし恥じらいなど微塵もない。全身の筋肉が戦闘態勢に入るとともに、彼女の周囲に赤黒い炎が巻き起こる。冷酷な笑みが浮かぶ。


「焼き尽くしてやる」


言葉と同時に炎が噴き上がり、真っ直ぐ腐蜍虫に向かって走る。

腐蜍虫は素早い動きで炎を避けようとしたが、ドゥルガーの反応速度が勝っていた。両腕から渦巻く炎を生み出し、それを投げつけるように攻撃する。

一瞬にして腐蜍虫の皮膚が燃え上がる。しかし致命傷にはならず、怪物は怒りの咆哮を上げた。


「オイィィッ!」


二本の長い舌が素早くドゥルガーへ向かってくる。まるで生き物のようにしなやかに動くそれが、彼女の首元を狙う。

しかし彼女は余裕の表情。右手から放った炎の鞭が空中で絡まり合い、舌を弾き飛ばす。そしてそのまま鞭状の炎を振り回し、怪物の頭部に打ち付けた。


「オイィィイイッ!」


耳障りな叫び声とともに腐蜍虫がよろめく。チャンスだ。


ドゥルガーは高く跳躍し、空中から猛禽類のような速さで急降下する。左手から放たれた赤黒い火球が怪物の胸部に命中し、爆発的な熱波を引き起こす。

茶色がかった灰が飛び散り、怪物の身体が大きく傾く。

それでもまだ終わらない。腐蜍虫は最後の抵抗とばかりに長く伸びた舌でドゥルガーの足首を絡め取ろうとする。

だが彼女の目は冷静だ。瞬時に身を翻し、右足から放った炎の蹴りが怪物の顔面に直撃する。

衝撃とともに怪物の眼球が溶け始め、口から泡を吹き出しながら痙攣する。ドゥルガーは着地後すぐに追撃に出た。

両手を広げると全身から膨大な量の炎が噴き出す。それはまるで生き物のように怪物の周りを取り囲み始めた。


「終わりよ」


彼女がそう告げるのと同時に炎の壁が一気に縮小し始める。まるで巨大な竜巻となった炎の中で腐蜍虫は苦悶の叫びを上げる。


「オイィィーッ……!」


最後まで不愉快な鳴き声だけが残響となって路地裏に木霊する。数秒後には完全に灰となり地面に崩れ落ちていった。

ドゥルガーは荒々しく息を吐き出し肩越しに振り返る。既に戦闘態勢を解除した彼女からは先ほどまでの狂暴さが消えていた。ただ冷徹な瞳だけが闇の中で輝いている。


「これで一体……でも次はどこだ?」


手にした長尺の棒をロングコートに変形させ、羽織った彼女は再び走り出した。この街に存在する全ての腐蜍虫を滅ぼすまで、休むつもりはないのだ。そして彼女自身もまた知っていた。敵は一人ではない。もっと強大なものがこの街に潜んでいることを……

だが今の彼女にとってそれは些細な問題だった。目の前の敵を確実に仕留める――それこそが最も大切な使命なのだから。

ドゥルガーは暗闇の中へと溶けていった。身体にに炎と血の匂いが染み付かせながら。


路地裏の奥から男の声が聞こえた。ドゥルガーは即座に気配を探る。しかし敵意は感じられない。代わりに困惑と恐怖が混ざった声だ。

彼女は慎重に角を曲がり進んだ。そこに広がる光景は想像を超えていた。

二人の若い男性が裸で抱き合っている。しかも普通の状況ではない。片方の男は筋骨隆々、もう一方の男の臀部からは粘液のようなものが伸びている。彼らは互いに絡み合いながら獣のような喘ぎ声を漏らしている。


(これは……)


ドゥルガーの胸に嫌悪感と同時に理解が押し寄せる。腐蜍虫によって精神操作され肉体改造された犠牲者だ。そしてこの状況そのものが怪物の捕食手段なのだ。


「おい!助け……」


男が声をあげる。しかし次の瞬間、彼の目に赤い斑点が浮かび上がった。明らかに正気を失っている。

ドゥルガーは判断を迫られた。助けるべきか……それとも処分すべきか。こんな状態になった人間は既に元に戻ることはない。ならば……

彼女は決断を下す前に背後からの気配を感じ取った。振り向きざまに炎の剣で斬撃を放つ。

暗闇から突如として飛び出してきた何かが焼かれ煙を上げた。しかし本体ではない。逃げ去る足音だけが残響となっている。


(また腐蜍虫か)


ドゥルガーは舌打ちしつつも前を見据えた。目の前の男性二人はもはや自我を失いつつある。


「ごめんなさい」


彼女の小さな謝罪とともに両手から赤黒い炎が噴射される。刹那的な悲鳴と共に二人の体が包まれた。

数秒後、そこには何も残されていない。ただ黒焦げた地面と焦げた臭いだけが漂っている。


(これで良かったんだ……)


自分自身に言い聞かせつつドゥルガーは路地を後にした。その背中には新たな決意と悲哀が刻まれていた。

この街では命さえも消費されるものだ。しかし彼女だけは違う。すべてを滅ぼすことでしか救われない哀れな魂達のために彼女は戦い続けるしかないのだ。

薄明かりの中、ドゥルガーは静かな怒りを秘めた目で周囲を見渡した。

路地の奥から、また別の嫌な臭気が漂ってくる。あの腐臭だ。彼女は確信を持ちながら、その方向へと足を向けた。

エクス・エセネースの街は常に危険に満ちているが、最近の腐蜍虫の出現頻度は尋常ではない。まるで誰かが意図的に増やしているかのようだった。

ドゥルガーはビルの陰に身を隠しながら、慎重に進んでいく。


(これ以上は無差別に繁殖させられない)


彼女が曲がり角を越えた瞬間、突然複数の影が目の前に現れた。


「くっ!」


反射的に炎を放とうとするが、影がこちらに向かって叫んだ。


「待ってくれ! 俺たちは敵じゃない!」


見ればそれは数名の若い男女だった。怯え切った表情で両手を挙げている。


「……誰?」


ドゥルガーは警戒心を解かないまま問いかけた。


「俺たちはレジスタンスの一員です! 街の腐敗に抗う組織なんです!」

「レジスタンス?」

「そうです! 我々は腐蜍虫とその背後にいる存在を暴こうとしています!」


彼らは必死な形相で訴える。ドゥルガーは少し考え込んだ後、軽く頷いた。


「いいわ。話を聞きましょう」


彼らは狭い地下道を通って、秘密の拠点へと案内してくれた。そこには数十人の市民が集まっており、様々な情報を持ち寄っていた。


「ブライアンさん! 無事だったんですね!」


その中の一人が男……ブライアンを見て歓喜の声を上げる。


「あなた方が集めてる情報って何なの?」


ドゥルガーは単刀直入に聞くと、リーダー格の青年が前へ出てきてドゥルガーに手を差し出す。


「自分の名はビリー。このレジスタンスのリーダーだ」

「私はドゥルガー。バルキリーよ……それと握手は遠慮させて貰うわ。火傷させたくないから」

「そういう事情があるなら仕方ない。早速だが説明を始めても?」

「ええ。どうぞ」


ドゥルガーが手のひらを上に向けて促すと、ビリーは頷いて説明を始めた。


「ここ最近の腐蜍虫の繁殖の範囲が特定の地区で集中して出現していることから、誰かが管理している可能性が高い」

「なるほどね……」

「さらに重要なことは、街の権力層に怪しい人物がいるという噂だ。『ハーチーコービ』という企業の幹部たちが関与しているとか……」


その言葉にドゥルガーの眉がピクリと動いた。


「ハーチーコービ? 聞いたことがあるわ」

「そうか。やはりあなたの力が必要なようだ。一緒に真相を突き止めてもらえないか?」


ドゥルガーはしばし沈黙した後、決意を固めるように言った。


「条件付きよ。もし偽情報を流したり私を利用したら許さないから」


彼らは深く頷き、ドゥルガーは拳を強く握り締める。


(この街の闇は思ったより深いかもしれない)


そんな予感を覚えつつもドゥルガーは新たな戦いへの準備を始めた。

腐蜍虫だけでなく、その背後に潜む巨大な陰謀との対峙を決意して……

翌日、赤い夕陽がエクス・エセネースの摩天楼を染め。ドゥルガーは高層ビルの屋上から街を見下ろしていた。


「あそこが例の場所だ」


背後からの声に振り返ると、昨日出会ったレジスタンスのリーダー格、ビリーが立っていた。


「そうみたいね」


ドゥルガーは短く答えると、視線をビルの谷間に向けた。

その建物群の中でも一際目立つ大きな施設があった。『ハーチーコービ研究所』と書かれた看板が夕日に照らされている。


「あれが怪しいって言うわけね」

「ああ。以前の調査で内部から定期的に腐蜍虫らしき生物が搬送されている映像を確認した」


ビリーは緊張した面持ちで説明する。


「じゃあ行きましょうか」


ドゥルガーは一瞬で決断すると、屋上の端へと歩を進めた。


「ちょっ……どうやって侵入するつもりだ!」


慌てるビリーを尻目に彼女は躊躇なく跳躍する。

驚くようなスピードでドゥルガーはビルの壁面を駆け下りていく。途中で何度かビルの窓枠やパイプを掴みながら華麗に降下していく姿にビリーは呆然と見惚れていた。

一方のドゥルガーはまったく動じていない。壁伝いに地上近くまで降りると最後は軽々と着地した。


「ふぅ……」


まるで日常業務を終えたかのような涼しい顔で振り返る。


「あ、あんた凄いな……」


後から降りてきたビリーが息を切らしながら言った。


「ほら行くわよ。こんなところで喋ってる暇ないわ」 


二人は素早く建物の入口へと移動した。セキュリティロックがかかった扉の前に立つとドゥルガーは右手をかざすと、赤黒い炎と共に鍵部分が溶解してしまった。


「開いたわ」

「バルキリーとは何でもアリだな……」 


青年が呆れた様子で呟いた。しかしドゥルガーは答えずに中へと足を踏み入れる。

施設内は意外にも静まり返っていた。廊下の照明は最低限しか点いておらず薄暗い雰囲気だ。


「慎重に行こう。敵の数も不明だからな」

「わかってるわ。でも私はあまり隠れるタイプじゃないけどね」


ドゥルガーが不敵に微笑んだとき、前方から靴音が聞こえてきた。


「誰だ!?」


巡回中の警備員たちだ。銃器を携帯しており厳重な武装ぶりが見て取れる。


「ちょっと大人しくしてもらいましょうか」


ドゥルガーは青年に小声で指示を出すと自ら先陣を切って突進。両手から閃光のような炎を繰り出しそれぞれ警備員たちの胸元を正確に狙う。数秒で三人を昏倒させてしまう。


「凄い……一瞬だ」


青年が感嘆する間にドゥルガーは既に奥へと進んでいた。


「早くしないと置いてくわよ」

「あ、ああ!」


その後も数度の遭遇戦を繰り広げながら二人は施設内の奥深くへと進行していった。そしてついに最深部と思われる巨大な研究室へ辿り着く。

部屋中に透明なケースが並びその中には……


「これは……」


腐蜍虫の幼体と呼べるものだろうか。数十匹もの小型サイズの怪物が飼育されていた。


「やっぱりここで改造されていたのか……」


青年が唖然とした表情を浮かべる。その時部屋全体が震えるような轟音と共に非常警報が鳴り響いた。


《侵入者あり! 侵入者あり! 全職員は避難せよ!》


同時に照明が赤く点滅し始める。


「まずい……」

「まあ想定通りね」


ビリーが呟き、ドゥルガーは落ち着いた様子でケースに近づいていった。

そこで何か重要なデータを見つけ出せればと思った矢先――

突然背後の大扉が勢いよく開き一人の大柄な男が現れた。

「ほう……ここまで来るとは思わなかったぞ」


その声にビリーの顔色が変わる。


「貴様……プロフェッサー・ナナカワ!」

「久しぶりだね坊や」


男は不敵な笑みを浮かべていた。

どうやらレジスタンス側の因縁の相手らしい。一方ドゥルガーは冷静に男を観察していた。


(こいつが腐蜍虫を管理していた黒幕って訳ね)

「さて君たちには消えてもらうしかなさそうだねぇ」

ナナカワが合図をすると奥から続々と警備兵たちが現れる。しかしドゥルガーは一切恐れる様子もなく両手を広げた。


「かかってきなさい」


その言葉と同時に彼女を中心に灼熱の炎の旋風が巻き起こる。室内全体が一瞬で高温になり床に敷かれたタイルが溶け始めた。そして何よりも恐ろしいことに――

改造されていた腐蜍虫たちまで目を覚ましたようだ。小さくても十分な脅威であることが明白だった。


「いけ!」


ナナカワの命令で警備兵たちが一斉に襲いかかってきた。しかしドゥルガーは一切ひるむことなく炎を操り迎撃していく。

炎の鞭が空中で絡み合うとそのまま一直線に敵陣へと向かい兵士たちを薙ぎ払う。焼けつくような音と共に絶叫が響き渡った。


(なんてパワーだ……)


ビリーは圧倒されつつも必死で戦闘から目を離さない。彼もまた戦士なのだ。隙を見て小型のナイフで警備兵を攻撃しているものの主導権は完全にドゥルガーにある。


「ぐ……」


ナナカワは苦渋の表情を浮かべるも、ニヤリと笑みを溢す。


「君たち二人だけでここまでできるとは予想外だったよ」


だが彼も黙って見過ごすタイプではない。指をパチンと鳴らすとさらに奥から新たな脅威が現れた。それは……人型の異形だった。まるで腐爛した屍のような姿で肌色は灰色。その手足は関節が逆向きになっているところもあり非常に不安定な姿勢を保っている。明らかに人工的に創り出された存在だ。


「我が最高傑作『鬼腐人』さ」


ナナカワの哄笑に合わせるようにその怪物は呻き声を上げる。


「どんな奴だろうと焼き尽くすだけよ」

ドゥルガーはさらなる火力を解放しようとした。

しかしその時、不自然な電撃音と共に突如として彼女の動きが鈍くなる。


「なっ!?」


驚愕するドゥルガーに対してナナカワは余裕綽々と種明かしをする。


「さっきの警備兵には特殊な装置を持たせていたのさ。君のエネルギーを乱すためのね」

「くそっ!」


ドゥルガーは懸命に力を取り戻そうとするが思うように炎が出せなくなっている。

その隙を見逃すはずもなく鬼腐人が襲いかかってきた。巨大な爪を振り上げて彼女の頭部を狙う。


「危ない!」


ビリーが咄嗟に飛び出し彼女を庇う形で割って入った。

衝撃と共に青年の体が吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


「……っ!」


ドゥルガーは思わず声にならない叫びを上げかけるが、即座に奥歯を強く噛み締める


(彼を傷つけてしまった……)


いつも戦闘に徹してきた彼女にとって仲間の負傷というのは初めての経験だった。そしてその感情は――恐怖。

その様子を見たナナカワが冷笑する。


「これは想定外の展開だ。まさか君が仲間思いだったなんて」


怪物の触手が青年の体に絡みつき彼を締め付けていく。


「やめろぉ!」


ドゥルガーが怒りの形相で吠える。

だが依然として全力の炎は出せない状態だ。

その時――

突如として上方から眩い光が天井を貫いた。

落下してきたのは、一人の少女。純白のライダースーツを纏い、剣を掲げた凛々しい姿。


「ドゥルガー! 無事ですか!」

「あなたは……!?」


その瞬間、少女は剣を一振りした。青白いとともに鬼腐人の触手が切り裂かれビリーは解放された。


「ありがとう……」

「礼は不要です。今は戦う時なので」


ビリーに弱々しく礼を告げられた少女は淡白に返答し、ドゥルガーの方に視線を向けた。


「私の名はニケ。あなたの後輩です」


その言葉にドゥルガーの目が丸くなる。


「後輩、ね……」


ニケは優しく微笑みながら剣を構え直した。


「遅くなってすみません。けど、もう大丈夫ですよ」


その言葉と同時にニケの体から青白い火が溢れ出した。まるで花火のような輝きだ。


「この場をお借りして一つ言わせてもらいます。ドゥルガー。貴女は一人じゃない」


彼女が語りかけると周囲の空間そのものが震え始め、警備員が所持していたであろう装置が爆発。そして信じられないことに鬼腐人の体からが燃え始めた。


「なっ……! 馬鹿な!」


ナナカワが狼狽える。

その間にドゥルガーも本来の力を取り戻しつつあった。


「ありがとう。ニケ」


ドゥルガーは小さく頷くと再び戦闘態勢に入る。


「それじゃあ行くわよ!」


今度は二人の力が合わさり爆発的なエネルギーを引き起こし、大地が揺れ施設全体に亀裂が入り始める。


「このままじゃまずい……逃げねば!」

「逃がすかッ!」


ナナカワの逃亡に、ニケが剣から閃光を放つも僅かに逸れ、彼の姿は塵の向こうへ消えていった。同時に周囲の怪物たちも消滅していく。


「一先ずは終わりね……」


ドゥルガーが呟く。ニケは優しく頷きながら言った。

「でもまだ終わってない」


その言葉通り――崩壊寸前の施設の中でナナカワの不吉な笑い声が響き渡った。


「見事だぁああああ! しかし我が野望は潰えない! 必ず……必ず復活させてみせるぞ! エクス・エセネースに混沌を!」


そして施設は完全に崩壊した。

瓦礫の中から飛び出すドゥルガーと、彼女に抱えられたビリー。そして少し離れた位置から悠然と歩いてくるニケ。


「レジスタンスの皆さんのお陰です」


ニケが微笑む。その姿は神々しさすら感じる美しさだった。


「でも……あの怪物たちはまだ他にも居るんですよね?」

「その通りです」


ニケは真剣な眼差しを向けた。


「だから私たちの戦いは続く。いや……これからが本当の始まりかもしれない」


青年は無言で頷いた。

夜空には星々が瞬き始め東の空からは微かに朝日が差し込んできた。


【了】

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