超能力者

さすらう

超能力者

ある男が不思議な夢を見た。年老いた爺さんが出てきて、空飛ぶ能力を与えるという内容の夢だった。 

 夢なんて、いつも忘れてしまうのに、なぜかその夢は鮮明に記憶されていた。

 その夢を見て2日がたった時、男は、急に空を飛べる気がした。今までにない、不思議な感覚だった。

 その日は、会社が休みだった。特にすることはなかったが、夢のことが頭の中にあり、気になって仕方なくなった。本当に飛べるのではないかと、男は思う。男の勘は当たった。本当に空を飛べた。

 男はすぐにスターになった。世界各国が彼を取り上げる報道をした。学者たちは、科学ではありえない現象に頭を抱えた。

 男は有頂天だ。今まで見たことのない金額、人々からの歓声。男は、神に選ばれた超能力者になったと思い込んでいた。

 ある日、テレビの取材があったので、空を飛んでテレビ局まで向かった。その途中、急に空を飛ぶ能力が消えた。重力には逆らえない。急落下だ。

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超能力者 さすらう @we1j

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