魂の塊
岸亜里沙
魂の塊
「なんで一文にもならない話を書くのだ?」
「書きたいからだ」
「書かなくても生きていけるだろう?」
「書かなくても生きてはいける。しかし書く事で生きていく意味合いが広がる」
「くだらない。そんなのは自己満だろう?」
「そうだ」
「お前の書く駄作など、誰も求めちゃいないぞ?」
「私の書く物語が、1000万人に理解されようとは思わない。私の物語を読んで、たった1人の人間が絶賛したのなら、それはもう成功だ」
「綺麗事はいい。本音を言え。お前は自分の書いた話が、売れてほしいと熱望しているのだろう?」
「金になるならそれに越した事はないね」
「夢を見るのは止めろ。売れている小説家など、ほんの一握りだ。太宰治でさえ、生前はほとんど評価されていないのだぞ?」
「そうだ。それに死後も評価されない作家はたくさんいるしな」
「お前の書く話など、生前も死後も評価されないだろう。1作目から読んでいるが、何ひとつとして面白いものはないぞ?」
「1作目から読んでくれているのか?それは嬉しいな。しかし、私の駄作など読まずとも生きていけるだろう?なんで君は、私の話を読むのだ?」
魂の塊 岸亜里沙 @kishiarisa
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