馴れ馴れしいプレイヤー
五來 小真
馴れ馴れしいプレイヤー
『お、いつもこんなところで遊んでるのか?』
オンラインゲームで遊んでると、妙に馴れ馴れしい態度のキャラが入ってきた。
いるいる、こういう男キャラ。
女性アカウントと見るやいなや、節操もなく。
たしなめてあげるのも、ベテランプレイヤーの役目というものだろう。
『少し馴れ馴れしくないですか?』
わたしは丁寧に失礼な態度を改めるように促す。
『馴れ馴れしいってことはないだろう。俺とお前の仲じゃないか』
随分ラグがあって答えが返ってきた。
タイピングが遅いようだ。
ネット経験はきっと浅い。
女性と親しくなることで優越感を覚えるタイプか。
あるいはお子様プレイヤーかな?
——ここはキツめに言っておくか。
『仲って何? あなたとは何の縁も関係もありません。作りたくもない。——全く女にだらしない。どういう育ち方をしたんだか。親の顔が見てみたいよ』
そう言った後、しばらく答えが返ってこなかった。
『お父さんに向かって、なんて口の聞き方だ!』
椅子からひっくり返りそうになった。
そういえば、アカウントの話をしたことあったっけ……。
<了>
馴れ馴れしいプレイヤー 五來 小真 @doug-bobson
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます