拝啓、今日も日本の空には可愛らしい絵の描かれた飛行機が飛んでいます。
長月そら葉
あなたは何を思いますか?
拝啓、今日も日本の空には、可愛らしい絵の描かれた飛行機が飛んでいます。
そんなエッセイのタイトルを書きました。それには理由があります。
今でも時折思い出す歌があります。
おそらく、「おじいさん」「飛行機」と検索してもらうと出てくると思うのですが、戦争に行って帰ってきた自分のおじいさんに、当時の話を聞くという内容です。曲名は著作権的に伏せておきますね。
その歌は、小学生の時、音楽の時間に知ったと思います。いつなのかは忘れてしまいましたが、歌だけがわたしの中にずっと残っています。
昔、飛行機に乗って戦ったおじいさん。
それが当たり前だったから。
だけどそれで、友達をたくさん亡くした……。
そんな歌詞です。子どもにもきっとわかりやすい、平易な歌詞。だけど、今でも思い出すと泣きそうになります。
今年は、戦後80年。
皆さんは、広島と長崎に原爆が落とされたことをご存知でしょうか? そして、それが何時何分だったかも知っていますか?
広島に落とされたのは、1945年8月6日午前8時15分。
長崎に落とされたのは、1945年8月9日午前11時2分。
その瞬間に、見知った景色は消えたといいます。
その辺りで三輪車に乗っていた男の子も、工場で働いていた女の人も、台所にいた誰かも。階段で休んでいた人は、その影を残して。
瞬間的に亡くなった方もいたでしょう。
その後、水を求めながら亡くなった方もいたでしょう。
しばらく苦しんだ後、亡くなった方もいたでしょう。
生きながらえて、様々な思いの中、懸命に生きる方々もおられるでしょう。
その瞬間に、変わったのです。何もかも。
ただそこで生きていた人たちの日常が。戦争の中であっても、確かにあった日常が。
わたしは、戦後生まれです。平成になってから生まれて、戦争は教科書や歴史の中のお話です。
ですが、その出来事は実在しました。おじいさんやおばあさんの若い頃、戦争は日常の中に入り込みました。
実体験はありません。それでも、人の話や資料で思いを馳せることは出来ます。
現在、リアルに戦争が起こっています。
日本ではありませんが、他国ではありますが、この地球上で。
出来ることはほとんどありません。でも、考え続け行動し続けることは出来ます。
それぞれの国の思惑、利権、利益……様々な事があっての戦争勃発でしょう。それでも、戦争はいけないことなのだと、子どもたちは知っているはずです。
ひとのものをとったらどろぼうだよ。
じぶんのされていやなことは、ひとにしたらいけません。
どうやら人間は、オトナになるとそれを忘れてしまうようです。
しかしだからといって、全員があなたと同じく平和を望むと考えることも危険です。何故なら、あなたとわたしは違う人間だから。考え方が違って当然です。だって、脳も視覚も何もかも共有していないのに、同じなわけないじゃないですか。
……ちょっと説教臭くなりましたね。申し訳ないです。
平和を望む人の方が多いことを願いますが、その程度も人それぞれ。違うからこそ面倒で、違うからこそ面白いわけです。
まとまりがなくなってきました。そろそろ、この好き勝手なエッセイも閉じようと思います。
折角、知恵を持つ動物として生まれたのです。物理的な力ではなく、知的な力で議論する方が人間らしいんじゃないかと思います。
バカと言われてバカと返すのでは、幼稚園児と同じですから。
世界平和を一人で成し遂げるなんて、無謀です。そもそも無理でしょう。
ならば、あなた自身、わたし自身が誰かと争った時にどうするかを考える方が良さそうです。争うなとは言いません。争って、その上でどうするかが大切なのだと考えます。
他人が自分の思い通りになるわけがありません。他人はあなたではありませんから。
他人を変えることなど無理なのですから、自分が何かしら変化するしかないんですよね。
同レベルで争うのか、少し上のレベルで応対するのか。選ぶのは自分自身です。
可愛らしい絵の描かれた飛行機が、たくさんの笑顔を乗せていく。そんな現代のこの国に生まれて、わたしはどう生きていきましょうか。
あなたは、どうしますか?
ねがわくは、二度と原子爆弾が投下されない世の中であらんことを。
好き勝手書かせて頂きました。
こんな考えの奴もいるんだな、くらいに思って頂ければ幸いです。
拝啓、今日も日本の空には可愛らしい絵の描かれた飛行機が飛んでいます。 長月そら葉 @so25r-a
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