第一部完結!「吸血鬼」という題材を借りためくるめく人間ドラマ

すでに第二部に突入していますが、以下第一部のレビューです。

吸血鬼という題材を借りながら、人間の欲望や心情を巧みに描いた作品です。
戦闘や派手な展開に頼らず、日常に潜む違和感や登場人物の揺れる心情で物語を引っ張っていく構成が印象的でした。

桐人と彼を取り巻く人物との関係は、単なる恋愛模様ではなく、信頼や疑念といった人間の複雑な感情が織り込まれています。

スニク様の登場によっていよいよ「吸血鬼」の輪郭が見え始めました。
細やかな心理描写と緊張感の積み上げによって、登場人物とともに真実を探る感覚に引き込まれました。