【詩】凛として薔薇 〜最後の決意

杉 孝子

第1話

  凛として薔薇 ~最後の決意


誰も貴女の心を奪い取ることは出来ない

その美しい瞳は官能的で

男達を引き寄せる蜜の味は

触れるものを棘で心を抉り取る

紅い唇は薔薇のように

今宵は 、その微笑みで誰が夢見るのか


朝露に光る日差しの中で

凛として咲く花は

あの時の貴女のように

毅然とした王女のように

美しい面影のままに散っていく


血の雫のように舞い落ちるかけらは

風に揺らめき霧に煌めき

枯れ落ちる時までも心を揺さぶる

貴女の棘が刺さった心は

いつまでも私を眠らせない


目蓋に焼き付いた赤い薔薇と 

私に付けた貴女の爪痕を

過去に置いてきた言葉と共に

もう一度貴女へ


恋人がいることを知っていながら

胸の奥で燻ぶる炎を

赤い薔薇に閉じ込めて


このまま、心を抉り続けるならば

息の根を止めるほど強く

最初で、最後のバースデープレゼント


貴女が微笑む日を信じて

沈みゆくように

薔薇の香りに包まれて

馬鹿なわたしは眠りにつく

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