夏のじっとりとした、まとわりつくような熱気とともに

登場人物全員が何かしら抱えるものがあって、不健全な印象を受けるのが、実にリアリティがあり、心に引っかかるようにして重くのしかかってきます。
そんな薄っすらと作品全体に漂う負のオーラが、より濃く渦巻く「芽衣」さん。
実にいいキャラしてます。
前評判が完全にダメ人間のそれな印象でしたが、いざしっかりと見てみると……実に強い。
そして、めちゃくちゃ立派な人だとも思いました。

悪辣なものの表現が実によく描けた、それでいて最後にふっと腑に落ちて心地よいものが感じられる、何とも読了感の良い作品でした。
決して万人受けする作品ではありませんが、是非とも読んでもらいたい一作品です。

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