<第1話~第2話のプロローグを読んでのレビューです>
全体的に、冷たく研ぎ澄まされた描写の中に、細やかな心の揺れが静かに描かれている。語り口は硬質で、理知的な観察を通して人物の内面や環境の空気感が丁寧に描写される。特に零司とポメラニアン、ことはの登場場面では、暴力や孤独といった闇の底からふと差し込む温もりの光が、静かにだが確実に読者の意識を掴む。
零司が小さな銀色のパッケージをポケットから取り出す描写「指先に触れたのは、小さな銀色のパッケージ――お芋ボーロ」
過去の痛みと今の小さな救いを同時に感じさせ、主人公の心情が文字通り手触りを伴って伝わる。その細部への配慮が、物語の奥行きを深めている。
また、学園の裏で展開される緊迫した場面と、ことはやくーちゃんとの柔らかな日常描写の対比が巧みで、物語にリズムと緊張の緩急を生み出している。このメリハリが、読後感に静かな満足感をもたらし、作品全体の世界観に自然と引き込まれる要因となっている。
登場人物の思考や感覚を丁寧に拾い上げつつ、暴力や欺瞞といった現実の厳しさを容赦なく提示する。その冷静な視線と同時に、微かな希望や温もりを織り込む巧みさに、読み進めるほど物語の深みと作者の緻密さが伝わる。
誰にも心を開こうとしない主人公・九条は、ある日昔飼っていたワンコに似たポメラニアン・くーちゃんと出会う。
くーちゃんには特殊な能力があり、九条の犬用おかしを食べる事でそれを発揮し様々な事件を解決していく物語です。
とても面白く、斬新なストーリーです。
犬が特殊能力持ち、更に主人公と視界を共有することができ、それを元に事件を解決していくという話なのですが、発想が豊かで読んでいてワクワクしました。
キャラクターも生き生きしていて、くーちゃんの飼い主であることはちゃんは少し天然なところもありつつ正義感が強く、不良相手にも物怖じしない度胸があります。
九条も困っている人を放っておけない性格のため、彼女と共に事件解決に協力することになります。
この2人の関係性が可愛く、そして個人的にはみのりちゃんと九条も気になるところです。
そしてなによりポメラニアンのくーちゃんが魅力的すぎて本当に癒されます。
犬として可愛らしいだけじゃなく、能力を発揮し疲れるまで頑張るところが健気で抱きしめたくなります。
これからの展開もとても楽しみです。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!