物語に出てくる夏のお着物。その描写に目を奪われて、薄物を着たくなりました。田舎に息づくシキタリは、どうしてこんなに息苦しいのでしょうか。自由を求めることは、息を殺して自分を置き去りにすることなのでしょうか。旧さと新しさを綯い交ぜにして、夏の終わりを感じさせる物語を、どうぞ。
因習深い田舎の村で行われる婚礼の儀。主人公の由佳は気が進まないながらも本家の結婚式ということで久々にその土地を訪れます。そんな中で再会する美丈夫な新郎、儚く綺麗な新婦、少しだけ逢うのを楽しみにしていた少年。読み進めていく内に物語は想像もしない方向へ転がり始めます。丹念な描写と絡み合う人間ドラマは圧巻の一言。一気にその世界に引き込まれる作品です、是非ご一読ください。
結婚式がいきなり通夜の場に代わる誰が予想できたやろか庸亮が実は生きていて弦と逃避行していたらおもしろいでも村人の見守る中むりな話家系を根絶やしにしたくなければ翠を無理矢理懐妊させればよい空蝉の家はなんの意味も持たない由佳の母親の自慢話からこの家の在り様が窺えて作者の筆のうまさが実に巧み筆の運びも滑らかでグイグイ物語に引き込まれること間違いおまへん
ミステリ。書けない。わたしには書けない😓そして、又吉直樹は、ミステリ作品を書きたいらしく、いかにもな登場人物や、設定をよく考えるらしい。けど、ミステリに1番重要な謎解きや、トリックがまるで浮かばないらしい。同意!激しく同意なのだ!!ミステリとは生み出すものではないような気がする。自然に生まれるのではないだろうか。このお作品。ミステリ作品としたら、超上質な最高傑作。けど、作者様はそうゆ〜のじゃないんだよね〜と思っておられるだろう👀
完成され過ぎていて、余計な言葉で汚したくはないのですが、どえらいものを読んでしまいました。これはすごいものだ。これもある種の因習でしょうか。しかしこうも軽やかに締めくくられるとは。爽やかさと静けさと、胸の奥に灯るあたたかな何かが、この恋の行く先を、永久に照らさんことを願いました。