それは分からないのです。そんなね、ガスを放出しないと、身体に悪いに決まってるでしょう。なんでダメなんですか。
病気もそうですよね。いぼ痔は恥ずかしくて、白血病は恥ずかしくないのか? いやもちろん重度は全然違うのだが、いぼ痔ご本人だって、苦しいでしょう?
そういう、生理的な現象を、卑近だ、恥ずかしい、という風潮に、わたくしは疑問を感じるのです。
以前、わたくしが30過ぎくらいの頃、冬だったからトレンチコートを着て、お酒をたくさん飲んで、駅のホームに行ったら、おならしたくなって、ついつい、ためて一気に「ぱおーん!」ってアフリカ像みたいな咆哮をお尻から上げてしまったんです。あやうくロケットみたいに空に飛び立つくらいの勢いで。
そしたら、後ろにいたОL二人組のうち一人が、あまりの音に驚愕して、「お、お、おな……」ってわなわなして、もう一人が、「え? なに? どうしたの? 大丈夫?」とか言って心配してるんです。わたくし、酔っぱらってたこともあったんですが、後ろを向いて、「ニッ」ってして、わなわなする女子にウィンクをして去っていった覚えがあります。「本当のかっこよさとは、きっとこういうことなんだな」って、酔っぱらってたんで、ほんとすいません。
というような、なにか人間の精神の根源にかかわるような展開の、とても深いお話です。堂々としてたらいいじゃないか、いやでも、やっぱり、という、人の在り方を鋭く問うお話です。
読んでも損はしません。得もしないかも知れないが、ぜひどうぞ。