大団円!
「ふむ、PV200か。」
――system message――
ですね。
「人の頑張りを褒めてみようぜ! 俺、褒められて伸びるタイプなんだよ! ハメられて伸びるタイプの人間ってすごくレアだと思うぜ?」
「う〜む、人を集めるというのも難しいものじゃな。」
――system message――
もともと邪な考えでこの勇者を作りましたしね。
そのあたりが良くなかったのかも知れません。
「スラリンはどう思うのじゃ?」
「毎回同じ相手で飽きた。」
レギュラーメンバーか? こいつ。
当然のようにこの場所にスラリンがいやがる。
しかも安定のキャラぶれ。
本物のお前はどれだよ!
「第一このランキングシステムもよくわからんのう」
――system message――
ですねぇ。 数日間何も動きのないこの物語が投稿を続けている物語よりも上にランクインされるのですから。
「何度かトップページに載ったこともあったが数分で消えるしのう。 結局その時のPVは3しか増えなんだ。」
「もうわからないスラ! 検索とか時間帯とか、どれもこれも無駄リン! 結局アカウントを消されない程度に営業活動するしかパンピーが戦う方法はないスラよ。」
――system message――
チャッピーさんにその辺を聞いても、商業作家や既に名前の売れているweb小説組に大量に集まるだけ。
SNSサイトでたまたま何かでバズるだとか、そんなことをすすめてきますしね。
神はAIを使うらしい。
いつの間にかこの空間にホワイトボードと机と椅子が生成されて会議室になっている。
おっさんは机を指でトントンして苛立っている様子だし、一人はホワイトボードの前でうっすら何かいるっぽい視界の揺らぎ演出があるだけ。
スラリンは小型化して会議机の上で鏡餅のように鎮座している。
俺はそっとみかんをスラリンの上にセットしておいた。
「要はパンピーは運次第ということか。 さもありなん。 一朗太よ、ご苦労であったな。 元の世界に戻るがよい。」
えっ?
いきなり?
ふと俺の視界が切り替わると、俺はチャリンコに乗っていた。
眼の前には蓋の開けられたマンホールの穴。
「今思い出したけどこんな状況で人を呼び出して、この状況に戻すんじゃねぇえええ!!」
チャリの前輪がマンホールの穴に引っかかり宙を舞う俺。
あ、神剣がねぇから今日からケツも拭き放題だ。
やったー ……じゃねぇよ!
この人生もやり直し出来ますか?
神剣PV(パラサイト・ヴィジョン)は閲覧数ゼロ −−読者がいないと攻撃力ゼロの神剣を神様に押し付けられたので、まずは読者探します−− 荒頭丸 @ko10maru
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