樹冠

学級目標

樹冠


離陸した雀にうずたかくひかる都市工学の射程はどこまで


積雪もたやすく街のエスプリは反響のない房室らしさ


まなうらの幽霊たちを躍らせてしんしんと降るまひるの埃


ほどながい腐食を耐える橋梁に人の恭順 水はことごとく


葉が枝がはたらく陰へむきだしのからだを通す嗜虐のこころ


本懐の処遇ゆるせばなおのこと森を永らえる樹の、奇形樹は


楽器たる自覚がのべつまくなしに触れられて芽生える 春疾風


性行為にもさようなら深更の街路はつめたい火の絶え間ない


啓蒙の時代よ無知を慈しみこんなにもパラフレーズはゆたか


あとは揚力を信じる 代弁って木製の羽のようであやうい

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樹冠 学級目標 @8a70_

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