田舎の山道で出会った風の妖精・フェルと、とある家族が紡ぐ
日常の“ちいさな魔法”の物語。
派手な展開はないけれど、静かな描写のなかに、家族ひとりひとりの息づかいが
自然に浮かび上がってくる。
特に印象的だったのは、
「長く生きていても、眠っているように時間を流すこともあるし、
誰かと出会って、何かを想って過ごす一年の方が、百年の眠りよりも深い」
というフェルの言葉。
どこか心の奥に残るセリフだな、と思いました。
そんな温かな冒頭から、
途中からは、様々な精霊が魔法を駆使する、愉快なコメディが繰り広げられます。
魔法の使い方が、ユニークな作品です。