SCENE#41 漢字は、こう成り立っている!study2 爆音!漢字デスマッチ〜嵐山先生と生徒たちのキルミー、ベイベー!!
漢字は、こう成り立っている!study2 爆音!漢字デスマッチ〜嵐山先生と生徒たちのキルミー、ベイベー!!
SCENE#41 漢字は、こう成り立っている!study2 爆音!漢字デスマッチ〜嵐山先生と生徒たちのキルミー、ベイベー!!
魚住 陸
漢字は、こう成り立っている!study2 爆音!漢字デスマッチ〜嵐山先生と生徒たちのキルミー、ベイベー!!
第1章:対決!部首の乱、漢字デスマッチ開幕!
梅雨が明け、照りつける夏の太陽が嵐山学園に降り注ぐ。校長室に響き渡るは、またもやサイレン…しかし今回は、いつもと様子が違う。
「校長!ご心配なく!これはワシの新企画じゃ!」
嵐山先生が掲げたのは、巨大な「部首の盾」。そこには、まるで生き物のように蠢く様々な部首が描かれている。
「今日からワシの授業は、漢字デスマッチじゃ!お前ら、これまで学んだ漢字の知識を総動員して、ワシに挑むんじゃ!」
生徒たちはざわめいた。「デスマッチ?」「先生、また何か企んでる…」
「そうだ!漢字はバトルじゃ!特にこの部首!漢字の核となる部分じゃ!部首を制する者は、漢字を制す!行くぞお前ら!最初の挑戦者は誰じゃ!」
嵐山先生の目がギラリと光る。その視線に射抜かれたのは、漢字オタクとして知られる真面目な生徒、山田太郎だった。
「先生、受けて立ちます!」山田は震える声で答えた。
「よかろう!では、山田!この『氵』の部首を持つ漢字を、制限時間10秒で5つ挙げよ!スタート!」
教室に緊張が走る。「氵」…「水」の部首だ。「清!」「河!」「泳!」「海!」「汁!」山田はなんとか5つ叫んだ。
「お見事!だが、ワシは甘くないぞ!」先生は山田の解答をあっさりとかき消し、黒板に「激」の字を書きなぐった。
「これはどうじゃ!この字の部首と意味を答えよ!」
山田は絶句した。「激」…?「先生、それは反則です!まだ習っていません!」
「バカモン!デスマッチにルールなし!己の野生の勘を信じろや!ワシの辞書には『反則』って文字は『ファンキーソウル』って読むんじゃ!」嵐山先生はエアギターをかき鳴らし、「漢字の荒波に飛び込めや!ウォォォォ!」と叫んだ。
(同時に、どこからともなく波の音が響き渡る…)
生徒たちは、嵐山先生の予測不能なデスマッチに、もはや笑うしかなかった。「先生の辞書、欲しいような欲しくないような…」と、ある生徒が呆れてつぶやいた。
第2章:戦慄!画数の迷宮、筆順は命!
漢字デスマッチ第二戦は、画数と筆順のバトルだ。嵐山先生は、巨大な紙を広げ、その上に複雑な漢字を書き始めた。
「さあ、お前ら!漢字はな、ただ書けばいいってもんじゃない!画数、そして筆順!これが命取りになるんじゃ!」
先生が書き終えたのは、「鬱」という字だった。教室は静まり返る。
「では、この『鬱』の画数を答えよ!間違えれば、スクワット100回じゃ!ワシが審査するから、手抜きは許さんぞ!汗だくになってこそ、真の鬱が晴れるんじゃ!」
生徒たちは顔を見合わせた。誰一人として正確な画数を答えられない。「先生、無理です!」「数えるだけで日が暮れます!」
「弱音を吐くな!数えるんじゃ!数えて数えて、数えまくるんじゃ!人生はな、時に面倒な作業を強いられるもんじゃ!だが、それを乗り越えた先に、真の境地が待っとるんじゃ!まるで、人生のレシートを一枚一枚確認する作業のようにな!しかも、全部手書きのな!」
その時、一人の女子生徒が手を挙げた。美術部の部長、鈴木花子だ。
「先生!確か29画です!」
「正解!お見事!だがな、まだ終わりじゃないぞ!鈴木!では、この『鬱』を正しい筆順で書ききってみせよ!できなければ、ワシの新作パンクロックTシャツのモデルになってもらうぞ!しかも、校長先生と一緒にペアでな!」
鈴木は戸惑いながらも、恐る恐る筆を握った。しかし、途中で手が止まる。複雑な筆順に、彼女の額には汗が滲む。
「どうした鈴木!筆は剣じゃ!己の心を映す鏡じゃ!迷わず書け!躊躇するな!お前が迷うと、ワシのTシャツの売り上げにも響くぞ!校長先生がモデルだと、売れ行きがな…ゲフンゲフン!」
先生は、背後から鈴木の手にそっと触れた。その温かい手が、鈴木に勇気を与える。鈴木は集中し、なんとか「鬱」の字を書き上げた。
「よくやった!鈴木!その迷いながらも書ききった精神こそ、ロックじゃ!人生はな、一本道じゃない!時に回り道もする!だが、最終的には目的地に辿り着けばいいんじゃ!まるで、迷子になった挙げ句、結局コンビニに辿り着いて、そこで運命の出会いがあった!みたいな奇跡じゃな!」
(同時に、どこからともなく嵐山先生のテーマソングが流れ出す…)
生徒たちは、画数と筆順の奥深さに、改めて漢字の面白さを感じ始めていた。そして、先生の言葉が、なぜか心に響くのだった。「先生のたとえ話、毎回オチが斜め上すぎる…」と、生徒の一人が苦笑いした。
第3章:奇襲!熟語の罠、四字熟語の呪縛!
漢字デスマッチ第三戦は、熟語のバトル。特に、四字熟語の難問が嵐山先生から繰り出された。
「さて、お前ら!漢字はな、単体で力を発揮するだけじゃない!組み合わせることで、新たな意味を生み出すんじゃ!それが熟語!特にこの四字熟語は、意味の奥深さに加えて、ワシの魂が込められとる!」
先生が黒板に書いたのは、見たこともない四字熟語だった。
「では、この『奇々怪々』という四字熟語の意味を答えよ!もちろん、ワシが考案したオリジナルじゃ!ヒントは、今日のワシのファッションじゃ!それと、今朝のワシの朝食のメニューじゃ!」
生徒たちは困惑した。「奇々怪々?」「聞いたことないけど…」
「弱音を吐くな!四字熟語はな、時に人生の真理を表すんじゃ!己の想像力を働かせろや!ワシの授業は、常に想像力のトレーニングじゃ!そして、ワシの朝食は、常に奇々怪々じゃ!」
その時、サッカー部のエース、田中健太が手を挙げた。彼は普段、漢字には全く興味がないはずだった。
「先生!それは…『奇抜な先生が、奇妙な授業で、怪しい漢字を教え、最終的に生徒の心を掴む』という意味ですか?」
嵐山先生は、目を丸くして田中を見た。そして、次の瞬間、大爆笑した。
「田中!お前、天才じゃ!その通りじゃ!ワシが今、この瞬間に作った四字熟語の真の意味を言い当てるとは!お前は、もしかしたらワシのDNAを受け継いでおるかもしれん!ワシの頭の中を覗いたな!?それとも、ワシの顔に書いてあったか!?まさか、ワシの朝食の中身まで当てるとは!」
田中は照れくさそうに笑った。
「よかろう!では次じゃ!この『右往左往』という四字熟語を使って、状況を説明せよ!ただし、ワシの授業風景を例に挙げるんじゃ!」
生徒たちは、先ほどの田中の解答に刺激され、次々と手を挙げ始めた。
「先生が鳥の着ぐるみでジャンプした時、生徒たちが『右往左往』しました!」
「正解!その通りじゃ!人生はな、時に右往左往することもある!だが、それでいいんじゃ!迷いながら進むのが、真のロックンロールじゃ!迷ったって、最終的に面白い方向に転がればオールオッケーだ!まるで、ワシが校長室で迷子になって、結局職員室に辿り着いたようなもんじゃ!」
(同時に、教室の照明が点滅し、スモークが焚かれる…)
嵐山先生の授業は、もはや漢字の授業の域を超え、一種のエンターテイメントと化していた。生徒たちは、漢字を通して、人生の哲学をも学んでいた。「先生、今日スモークまで焚いてるし…校長室で迷子って…」と、生徒の一人が感心したように言った。
第4章:激震!難読漢字の試練、読みは心で感じろ!
漢字デスマッチ第四戦は、難読漢字の試練だ。嵐山先生は、これまでで最も難しい漢字を黒板に書き出した。
「お前ら!漢字はな、書けるだけじゃ意味がない!読めてこそ真の漢字マスターじゃ!さあ、読めるものなら読んでみろや!読めなければ、ワシの新作ポエムを朗読してもらうぞ!しかも感情込めてな!そして、そのポエムに合わせて、校歌をパンクアレンジで歌ってもらう!」
先生が書いたのは、「魑魅魍魎」という漢字だった。教室は再び静まり返る。
「先生…それは、本当に漢字ですか…?」生徒の一人が震える声で尋ねた。
「バカモン!漢字じゃ!心で感じて読むんじゃ!辞書なんぞ頼るな!己の感性を信じろ!Don't Think!
Feeee…L !まさかワシのポエムを聞いて、校歌をパンクアレンジで歌いたいのか!?そうか、ワシの歌声に魅せられたか!」
その時、読書好きで引っ込み思案な生徒、佐藤美咲が小さな声でつぶやいた。
「ちみもうりょう…」
嵐山先生は、その声を聞き逃さなかった。
「佐藤!よくぞ読んだ!正解じゃ!『魑魅魍魎』!これはな、様々な化け物、得体の知れないものの総称じゃ!人生にはな、魑魅魍魎が跋扈する時もある!だが、恐れるな!それに立ち向かう勇気を持て!それがロックじゃ!ワシの頭の中も、まさに魑魅魍魎が跋扈しとるわい!特に、来週の給食の献立についてはな!」
(同時に、教室の隅から不気味なSEが聞こえてくる…)
佐藤は驚いて顔を上げた。まさか自分が当てられるとは思っていなかったのだ。
「よかろう佐藤!では次じゃ!この『贔屓』という漢字を読め!そしてその意味を説明せよ!ただし、贔屓する相手はワシ以外でな!ワシはいつでも公平じゃ!ワシが贔屓するとしたら、それはもう、お前たち生徒全員じゃ!」
佐藤は少し考え、ゆっくりと口を開いた。「ひいき…特定の人物や団体を、不公平に優遇すること…ですか?」
「お見事じゃ!佐藤!その通りじゃ!人生にはな、贔屓されることもあるし、贔屓することもある!だがな、公平な心を持て!それが真の強さじゃ!そしてな、ワシは誰一人として贔屓せん!全員に平等に、熱いSOULをぶつけるんじゃ!ワシの心は、常にフラットなロックンロールステージじゃ!そして、そのステージの上では、全員が主役じゃ!」
嵐山先生の言葉に、生徒たちは深く頷いた。難読漢字を通して、先生は彼らに社会の縮図を見せていた。漢字の奥深さに、生徒たちは改めて驚かされていた。「先生の平等って、なんか独特…しかも給食の献立まで魑魅魍魎…」と、生徒の一人がぼやいた。
第5章:伝説の終焉、そして新たな始まり!漢字マスター、永遠なれ!
漢字デスマッチ最終戦。嵐山先生は、満面の笑みで教壇に立った。
「さあ、お前ら!いよいよこのデスマッチも最終章じゃ!今日までよくぞワシの爆音漢字教室についてきてくれた!お前たちの成長は、ワシの想像をはるかに超えておる!まさかここまでワシについてくるとはな!ワシの方が驚いとるわい!正直、もっと早くギブアップすると思ったぞ!」
先生は、巨大な巻物を広げた。そこには、これまで学んだ漢字が全て描かれている。
「では、最後の問題じゃ!この巻物の中から、お前たちが最も印象に残った漢字を一つ選び、その漢字にまつわるエピソードと、お前たちの未来への決意を語れや!ワシのSOULを震わせた者が、漢字マスターの称号を得るんじゃ!ワシのSOULを震わせるような、ロックなエピソードを期待しとるぞ!もちろん、ワシへの感謝の言葉も忘れずにな!」
生徒たちは、真剣な表情で巻物を見つめた。これまで嵐山先生から教わった数々の漢字、そしてそれにまつわる奇想天外なエピソードが、彼らの脳裏に蘇る。
最初に手を挙げたのは、サッカー部の田中だった。
「先生!僕は『飛』です!先生が鳥の着ぐるみでジャンプした時、僕は本当に鳥になった気がしました!僕も将来、世界の舞台で『飛』び回るサッカー選手になります!」
次に手を挙げたのは、漢字オタクの山田だ。
「先生!僕は『清』です!先生が『清く正しく美しく、そしてアグレッシブに生きろ』と言ってくれた時、僕の心も清らかになった気がしました!僕は、将来、清らかな心で世の中を動かす人間になりたいです!」
そして、最後に手を挙げたのは、美術部の鈴木だった。
「先生…私は『鬱』です。最初は難しくて嫌いでしたが、先生が『人生はな、時に面倒な作業を強いられるもんじゃ!だが、それを乗り越えた先に、真の境地が待っとるんじゃ!』と言ってくれた時、私も頑張ろうと思いました。将来、どんなに困難なことにも立ち向かえる、強い人間になりたいです。」
嵐山先生は、生徒たちの言葉に、目頭を熱くしていた。
「オーライ!お前ら…よくぞ言った!ワシは感動したぞ!全員合格じゃ!お前たちは、もうすでに漢字マスターじゃ!漢字はな、ただの記号じゃない!人生そのものなんじゃ!お前たちは、漢字を通して、自分の未来を見つけたんじゃ!ワシの遺伝子、しっかり受け継いどるな!これでワシも安心して隠居…いや、伝説に残れるわい!いや待て、隠居はまだ早い!ワシは生涯現役のロッカーじゃ!」
嵐山先生は、高らかに叫んだ。
「今日からお前たちは、ワシのDNAを受け継ぐ、新たな漢字マスターじゃ!これからも、己の心を燃やし、情熱を燃やし、漢字と共に歩んでいけや!ワシは、いつまでもお前たちを応援しとるぞ!ロックンロール、フォーエバー!そして漢字、フォーエバー!キルミー、ベイベー!そしてそして、ワシのSOULも永遠に不滅じゃ!」
(同時に、校内に花火が打ち上がる音が鳴り響き、嵐山先生はステージダイブを敢行する…)
こうして、嵐山嵐先生の爆音漢字教室、漢字デスマッチは絶叫シャウトとともに幕を閉じた。しかし、彼の教えは、生徒たちの心に深く刻み込まれ、彼らの未来を照らす光となるだろう。嵐山嵐先生の伝説は、これからも語り継がれていくに違いないのだ…
◆第1作から、読んでもらうと、より楽しめます!!
SCENE#41 漢字は、こう成り立っている!study2 爆音!漢字デスマッチ〜嵐山先生と生徒たちのキルミー、ベイベー!! 魚住 陸 @mako1122
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