みみをすませば


その後


たかしの耳鳴りは

良くなる気配も見せず


ほんの少し

小さくなったり


天気によっても

それは左右された


わたしは

おもう


特別な才能を

神より授かった


絶対音感


その代償として


耳鳴り






ボクは 海の声が聴こえる

ボクは 雨がアキカンを叩く おとを拾う


ボクは表通りをゆく ちいさな

車のクラクションが音符になって

みみに飛び込む


ボクは花壇に集まる蜜蜂たちの

羽音がメロディにかわる


だれかが 扉をノックするおと

雨のひに軒下から

滴る 雫たちの調べ



でも


でもね


ボクはある日から

みみを塞いでしまっていたんだ


だけど

いま


みみをすませば


キミの声を

見つけられる


絶対音感 

何度も貫く

からだの中で


いま

キミだけの声に


触れているよ



相変わらず

騒がしい

まわりのおとたち


だけど

ようやく

 

受け入れられそうだよ


不思議な感覚

 


だから


ねぇ

 

そばにいてよ…


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みみをすませば みぃ @miwa-masa

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