夏の空白、刻(とき)の無音
開けた窓、風の止まった部屋の奥。虚ろなままに、夏が佇む。
蝉の声、途絶えた昼。君の不在を刻む。
陽光は、褪せた写真の色となり。君の影さえ、朧に残らず。
触れる肌、熱も冷たさも知らぬまま。指先にただ、何もなき夏。
喉を通る、水に味なし。無音の刻に、君の声消ゆ。
あの頃の、香りはどこにも見つからず。花火の夜、君の笑顔消ゆ。
喜びも、悲しみも無く。君の名さえ、口にのぼらず。
時計の針、動く音すら聞こえずに。スマホの光、君の不在を刻む。
私さえ、ここに居るのか不確かで。君の記憶も、消え去る空。
全て失くし、残るは広き無の空間。君の光を、夏は落とす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます