夏の遺構、夢の底
陽の光、揺れる水面(みなも)を透き通り。夏の底へと、誘い込む影。
水圧に、鈍る遠い祭りの音。記憶の泡が、ゆっくり浮き立つ。
肌に触る、底の冷たさ、君の息。見上げれば夏、遠い泡粒。
螺旋描く、一枚の葉は沈みゆく。あの日の君を、そっと埋めて。
屈折し、歪む水中の君の像。掴もうとせば、指をすり抜け。
香りなく、ただ重なれる時の層。君の匂いは、底に眠るか。
薄まる甘さ、水に溶けゆく雫かな。遠い渇きを、胸に残して。
言葉なく、沈む感情、深い淵。水底にただ、君が横たわる。
砂の丘、記憶の遺構、苔むして。君の微笑み、彫像となる。
見上げれば、遠く揺らめく夏の光。底に私は、君と眠ろう。
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