ぼくたちが見つめるべきもの

古 散太

ぼくたちが見つめるべきもの

ぼくたちが立っているところは

まぎれもなく現実にある世界で

目で見て手に触れることができ

ぼくたち自身もまたモノとして

ここにいるのは間違いないこと


ぼくたちが知っている世界では

どんなことも数値化と比較から

もしくは過去の情報の蓄積から

分かっていることとされている

誰もがそう信じさせられている


ぼくたちが信じている世界には

実際にはわからないこともあり

過去の情報で理解できないこと

解決することができない出来事

そんなことが腐るほどある事実


ぼくたちがさまよっているのは

わかってないことを理解せずに

恐れに負けて知ろうともしない

それでも事実は目の前に現れる

その隔たりに狼狽えているだけ


ぼくたちが見つめるべきものは

常識的な理解がすべてではない

人がすべてを知るはずもないと

謙虚に受け止めてから見る世界

否定していたものがそこに在る

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