君との九年間、あの門出の桜木へ。

『恋にならない恋』とはなんだろうか？

　早瀬アヤトはずっとある気持ちを抱いていた。彼は幼少期から気に食わない愛川エリカという少女。
　彼女といるとなぜか心がソワソワ感が溢れ、嫌でも浮かんでくるそれを苛立っていた。中学へ上がるとある女の子と出逢い、その助言によって、アヤトは彼女と関わっていくうちに、だんだんとその気持ちが具現化していった。
　そしてこの九年間の締めくくりの卒業式というフィナーレでようやくそのソワソワの正体を知る——。