第3話

私がここに来てから長い時間が過ぎた...と思う。朝はアラームをかけてるわけでもないしそもそもアラーム機能のついているものを持っていない。あの人が起こしに来るわけでもないので、時間感覚が狂ってしまったのだ。あと、あの人ともほぼ会話しないので口数が減ってしまった。

そんなことを考えながらあの人がさっき渡してきたパンをもそもそと食べていると急にアラームがなった。


この付近でA級魔獣が現れました。戦えない人は即逃げてください。繰り返します。

この付近でA級魔獣が現れました。戦えない人は即逃げてください。...


...ふむ、ちょうどいいしここから逃げるか。皮肉にもあの人が施した肉体改造のお陰でこの首輪が意味なくなったのだ。要は壊せるようになったのだ。


グシャッ


...変な音した?私が言うのもなんだけど、変な音した?え、首輪壊す時力込めすぎるとこうなるの?

えぇ...


...よし、歩いてたら落ち着いた。ていうか落ち着かざるを得なかった。なぜなら今目の前に外界に繋がる扉があるからだ。あ、こんな言い方をしているけど勿論ここは異界とかじゃないよ!久しぶりの外だからこんな言い方をしていただけ。


外に出たら爆発音がちょうど聞こえた。どうやら屋上で殺っているようだ。

屋上に行く前にやることを決めよう。


1.魔法少女と魔獣がどんなやつか確認する

2.必要なら手助けする。ただし見られないように

3.場合によっては見捨てる


だね。

2と3の状況をどう区別するのかって?私は一応人類の味方だから手助けするけど、魔獣と圧倒的差があったら勿論一目散に逃げるよ。

2 で見られないようにするって言ってるのは、私が野良の魔法少女(人造)だからだね。魔法少女協会は野良の魔法少女を減らそうとしているから、見つかったら面倒なの。捕まったらノルマとかこなさなきゃいけないし。


てことで目標も定まったことだし、行くか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔法少女たち(仮) 神狐 @oritahitomi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ